本物そっくり、プラネタリウムの「カプセルトイ」いかが 立体模型、投影の星空も再現 明石市立天文科学館

プラネタリウム投影機のミニチュアカプセルトイを手にする井上毅館長=明石市立天文科学館

 世界で初めて近代的なプラネタリウムがドイツで公開されてから、21日で100年になる。これを記念して明石市立天文科学館(同市人丸町)は、プラネタリウムのカプセルトイの販売や100歳の市民への「出前プラネタリウム」などさまざまな関連イベントを開いている。(領五菜月)

 天文科学館で販売しているのは、本物のプラネタリウム投影機そっくりのミニチュアカプセルトイ。プラネタリウム公開100周年を記念して玩具メーカー「タカラトミーアーツ」(東京)などが企画した。同館は協力依頼を受け、投影機の構造や特徴について助言などをした。

 モデルとした投影機は、1923年にドイツのカールツァイス社が製作した世界初の近代的なプラネタリウム機「ツァイス1型」と、37年に日本初のプラネタリウムとして導入された「ツァイス2型」の2種類。ツァイス1型は65のパーツ部品を組み立てて完成する。

 同館の井上毅館長によると、投影機の立体模型は珍しく、ツァイス2型は同館にある投影機と形がほぼ同じという。

 また、カプセルトイのツァイス2型にはプロジェクション機能が搭載されており、トイごとに異なる星空を楽しめる。ボタンを押すと、さそり座、オリオン座、はくちょう座、黄道赤道ラインの中から、1種類の映像が映し出される。映像に使われる星座や星空は全て同館のプラネタリウムで投影されているものだという。

 井上館長は「家庭でも天文科学館のプラネタリウムの一部を楽しんでもらえたらうれしい」と話す。

 全5種(ツァイス1型1種、ツァイス2型4種)で各500円。種類は選べない。なくなり次第終了。同館TEL078.919.5000

■100歳市民に出前投影会 魚住のグループホーム

 天文科学館は、今年100歳になる市民の希望者にプラネタリウム鑑賞やオリジナルグッズをプレゼントしている。

 5日には、100歳の女性が入所する、まんてん堂グループホームあかし魚住東(魚住町錦が丘3)で、入所者らに出前プラネタリウム投影の会を開いた。

 同館の学芸員が惑星や銀河、女性が生まれた日の夜空などをスクリーンに映して星の特徴などを説明。続いて、持ち運び可能な家庭用のプラネタリウム機でスクリーンや天井に星空を投影した。入所者たちは真剣な表情で見入った。

 応募した女性の長男の妻(75)は「入所者のみんなと見ることができて幸せ。見せてあげられて良かった」と話していた。

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