佐世保高専の漕艇部 半世紀以上の歴史に幕 OBらが「青春の場所」で渾身パドル

渾身の力を込めてボートを漕ぐOB=佐世保市、日宇川

 本年度で廃部となる長崎県佐世保市沖新町の佐世保高専漕艇部の「サヨナラ・イベント」が7日、同校であり、OBと現役学生が半世紀以上となる活動の歴史を締めくくるように渾身(こんしん)のパドルを披露した。
 1967年に同好会としてスタートし56年。松尾秀樹監督(65)が本年度で定年を迎えることから廃部が決まった。イベントはOB有志が企画。全国から約130人が“青春の場所”に集結した。
 学校に隣接する練習場の日宇川で、OBらは久しぶりにボートを体験。体力の衰えはあったが、当時の感覚を思い出しながら、力強くオールを漕(こ)いだ。
 福岡市から訪れた発起人の濱本輝実さん(62)は「文武両道でやっていた。ボートは体力に加え、戦術がレースのポイントとなる。ビジネスに通じるものがあり、みんな今は研究者やエンジニアなどとして頑張っている。先生には感謝している」と語った。
 3年生の主将、臼井勇惺さん(18)は最後の大会となった県高総体のダブルスカルで2位。「みんな全力でやった。いい思い出。歴史がある部で、目標に向かって頑張ったことは、今後の人生に役立つと思う」。
 松尾監督は教え子と再会し「一緒に青春をすごした。集まってくれてうれしい。ありがとう」と感慨深く語った。
 このほか「ボート部の歴史を振り返るトークセッション」や懇親会も実施。校内にある創立五十周年記念館(八角堂)には「我が青春と共に!」と記した漕艇部の記念プレートを設置した。

八角堂に設置された記念のプレート

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