特別支援学校の生徒 地元で活躍するためには? 長崎で就労支援フォーラム

「特別支援学校生の『地元で働きたい』を実現するために」をテーマに意見を交わしたパネルディスカッション=県庁

 特別支援学校の生徒について知ってもらい、将来地元で活躍する人材を育てようと長崎県教委は6日、県庁で特別支援学校就労支援フォーラムを開いた。保護者や企業・学校関係者ら約120人が県内の特別支援学校の取り組みや、働きやすい環境づくりについて理解を深めた。
 三菱重工業で障害者雇用を担当する中川美香さんが講演し、長崎地区では障害がある社員らでつくる業務チームを設置していると説明。入社前の適性業務の見極めや得意なことを生かせる環境づくりなど、社員定着に向けた取り組みを紹介した。
 「特別支援学校生の『地元で働きたい』を実現するために」をテーマにしたパネルディスカッションでは、障害者雇用に積極的な県内企業や特別支援学校高等部の教員が意見交換。生徒の就労に向けて学校側が企業側にアプローチする方法として「受け入れますよ、という企業を集中的に深掘りする」「実際に障害者を雇用している企業の話を聞いた方がイメージがつきやすい」などの意見が出た。
 障害者雇用の社内への理解の進め方として、エス・ケイ・フーズ(長崎市)の中村こずえ相談役は「スタッフの信頼関係がまず一番。風土をつくった上で、取りかかっていけばいい」などと話した。
 県庁エントランスホールでは、特別支援学校生が作った木工品や陶芸品などを展示。清掃などのスキルを審査する「キャリア検定」の実演や盲学校専攻科生徒によるあんま体験コーナーもあった。

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