ピエール瀧主演 震災で妻を失い心に傷を抱えたまま散骨業を営む男 「水平線」公開決定

ピエール瀧の主演最新作「水平線」の劇場公開が決まった。映画の舞台である福島県福島市で2023年12月8日より先行公開、2024年3月1日より全国順次公開される。

「水平線」は、福島県のとある港町を舞台に、大切な人ときちんとお別れできないまま、立ち止まってしまった親子の物語。ピエール瀧は、震災で妻を失い心に傷を抱えたまま、高齢者や生活困窮者を相手に散骨業を営む主人公・井口真吾役を演じる。真吾の一人娘で、水産加工工場で働く奈生役には、「青葉家のテーブル」などの栗林藍希。ほかに、足立智充、内田慈、押田岳、円井わん、渡辺哲らが共演する。

監督を務めるのは小林且弥。2001年より俳優として活躍し、「あゝ、荒野」などに出演。2013年に白石和彌監督「凶悪」でピエール瀧が演じるヤクザの舎弟役で共演して意気投合。自身初の監督作品となる本作につながった。

公開されたティザーポスターは、静かにうつむく真吾の表情を捉えている。悲しみとも諦めともつかぬ複雑な感情を秘めた表情が、真吾の心の葛藤を描き出している。

主演のピエール瀧、小林且弥監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■主演・ピエール瀧
映画『凶悪』で、僕の舎弟役をやっていた小林且弥くんから「自分が監督で映画を撮るので瀧さん主演をやってください」と突然の依頼。
「これは断ったらいけないやつだ」と、即答で引き受けさせてもらったら、福島の散骨業者とその家族をめぐる、魅力的で素晴らしい脚本が送られてきました。
それから数週間。暖かい雰囲気に包まれながらあっという間に撮り終えた本編は、観る人の心を揺さぶる素晴らしい作品に仕上がりました。
小林監督の作品に携われた喜びと充実感と共に、協力してくださった相馬の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

■監督・小林且弥
ある男の決別と再生の物語です。
きっかけは福島で知り合った方々の声でした。
すれ違い続ける個人の声と正しさを振りかざした外からの声。
事実の共有が困難な時代だからこそ、彼らの想いや信念、前を向く姿を可視化できないだろうか。
そんな衝動のみが出発点となったこの作品は、僕が最も信頼する俳優、ピエール瀧さんが引き受けてくれたことで一気に動き始めました。
寛容さと寂しさを感じさせるその広い背中は主人公の心情と見事に重なり、初監督作品の手応えを感じさせてくれるものでした。
共に作品を作ってくださったキャスト・スタッフ、そして撮影に協力してくださった相馬の方々に感謝いたします。

【作品情報】
水平線
2023年12月8日(金)フォーラム福島先行公開
2024年3月1日(金)テアトル新宿ほか全国順次公開
配給:マジックアワー
©2023 STUDIO NAYURA

© 合同会社シングルライン