ユーハイムのAI「バウムクーヘン」オーブンに最新モデル 職人技の焼き加減を「レシピバンク」化、常時使用可能に

テオの今後の展開について語る河本英雄社長=神戸市中央区元町通1、ユーハイム本店

 洋菓子のユーハイム(神戸市中央区)は11日、同社が開発した人工知能(AI)搭載のバウムクーヘン専用オーブン「THEO(テオ)」の最新モデル「THEO2.0」を発表した。職人技術を全てクラウド上で管理する「レシピバンク」のデータを活用できるのが特長だ。

 テオは2020年に開発。焼き加減を画像センサーで解析し、AIが学習して、職人のこだわりの水準で焼き上げることができる。現在、ホテルや喫茶店など全国で20台が稼働。職人が不在でも店舗ごとにオリジナルの焼き加減で、焼きたてを提供する。

 焼き加減について、従来のテオは、AIが学習したデータをオーブンごとにインストールする形で運用している。最新モデルは、職人ごとの固有のデータを集め、著作権に配慮しながらクラウド上でいつでも取り出せるようなシステムの構築を目指している。

 河本英雄社長は、テオの開発について「もともと、地球の裏側の子どもたちにもバウムクーヘンを届けたいとの思いから始まった」と説明。「AIはまだまだ人間にはかなわないが、テオが役に立てる新たなニーズに対応していきたい」と話した。(赤松沙和)

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