【MLB】 ダイヤモンドバックスがドジャースを3タテ 投打に圧倒して下剋上を完遂

写真:NLCS進出を決めて抱き合うダイヤモンドバックス・シーウォルド

ダイヤモンドバックスは2回のドジャースの先発ランス・リンを攻め立てる。今季メジャーワーストの44被本塁打を喫したリンに対して、9番ヘラルド・ペルドモ、2番ケテル・マーテ、4番クリスチャン・ウォーカー、5番ガブリエル・モレノがソロ本塁打を放ち、一挙に4点を先制。

ダイヤモンドバックスの先発は球団のプレーオフ史上最年少の先発投手となった24歳のブランドン・ファート。全42球中30球でストライクを投じるストライク先行の投球でドジャース打線を打たせて取り、4.2回を無失点投球。好調のブルペン陣に後を繋いだ。後を受けたブルペン陣も、2番手ジョー・マンティプライが1.1回を無失点。3番手ライアン・トンプソンが2失点を許したものの、そのピンチを受け継いだ4番手アンドリュー・サールフランクが見事な火消しを見せた。

ドジャースは7回にクリス・テイラーとキケ・ヘルナンデスの連続タイムリーで2点差に詰め寄り、8回にも無死1塁でムーキー・ベッツとフレディー・フリーマンのコンビに回るチャンスを作った。しかい、ベッツとフリーマンは、ダイヤモンドバックスのセットアップのケビン・ギンケルの前に連続三振。2人のシーズンMVP候補がこのシリーズでは合わせて、21打数1安打と完全にブレーキになってしまった。

最後は守護神ポール・シーウォルドが締めて、ダイヤモンドバックスが4対2で勝利。2007年以来16年ぶりのリーグチャンピオンシップシリーズへと駒を進めた。

レギュラーシーズンの西地区では16ゲーム差を付けて地区優勝したドジャースがまさかの被スウィープ。しかし、この3試合の内容は、“番狂わせ”と評するにはあまりにダイヤモンドバックスが圧倒的な内容が続いた。

ダイヤモンドバックス打線は初戦でクレイトン・カーショウ、第2戦でボビー・ミラー、そして今日のリンとドジャースの先発投手陣を早々にノックアウト。ドジャースの3人の先発投手の合計4.2イニングは、プレーオフ史上、シリーズ最初の3試合では最小のイニング数だという。(『イライアス・スポーツ』より)

そして、今日の2回裏の1回に4本の本塁打が飛び出たのも、プレーオフ史上初めての出来事だった。コービン・キャロル、マーテの1・2番コンビを中心とするダイヤモンドバックス打線の破壊力・機動力はシリーズ通して際立った。

ドジャースの今シーズンの先発チーム防御率4.57は、ドジャースの球団史では1929年以来のワーストの数値だった。これが示す通り、ドジャースはカーショウ以外に頼れる先発投手がおらず、まさにその不安が的中してしまった。

ドジャースにとって誤算だったのは、3試合で6得点にとどまった強力打線の出来だろう。特にベッツとフリーマンの不振が響いてしまった。

そして、それはそのままドジャース打線を抑え込んだダイヤモンドバックスの投手陣への賛辞にもなるだろう。ダイヤモンドバックスはメリル・ケリーとザック・ギャレンの1・2番手だけではなく、ワイルドカードシリーズから奮闘してきたブルペン陣、そして今日は3番手のファートも好投した。まさに”全員野球”で掴み取った下剋上と言えるだろう。

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