“取りこぼし”ナシ! 石川遼は会心「68」スタート

パー3を除く14ホールは全て1Wを握った(撮影/村上航)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(12日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪)◇7315yd(パー70)

折り返しの後半1番でバーディを奪った石川遼だが、続く2番(パー5)から不穏なムードが漂った。2オンに成功した後、左から大きく膨らませていった長いイーグルパットはカップのかなり手前で右に切れてパー。池が絡む3番(パー3)はグリーン左サイドに落とし、土手でクッションを利かせたアプローチも止まらずにボギーを喫した。

そして、4番は1Wショットが大きく右へ。「あの3ホール、流れが悪い方に行きかけていて…」と振り返る。それでも残り130ydのライは良く、前も開けていた幸運を逃さない。48度のウェッジで1m強に絡め、ピンチから一転してバーディを奪った。

ラフからの対処が光った(撮影/村上航)

ラフからショートアイアンを握った時の距離感は、直近の「バンテリン東海クラシック」で課題が浮き彫りになった部分。「日本オープン」のタフなセッティングも踏まえてテーマに据えたポイントでもあった。「僕が準備で大事にするのは、ショットが悪かったり、パットが悪かったりした時でもゲームで拠りどころとなるものを持っておくこと。それが今週はラフからの対応だった」。まさに準備と結果がつながった4番の一打を含め、ラフに入れてもショートアイアンの対処でミスらしいミスはなかった。

13度目の日本オープン(撮影/村上航)

バーディパットが数十センチ届かないシーンが続いて迎えた8番、しっかり打ちたい上り4mのチャンスにも冷静さが光った。「カップの先が段で下っていた。これは“しっかり強く打てばいい”ってもんじゃないな、と。ジャストタッチで打ちにいって、それが出てくれた」。抜かりなく、4個目のバーディを決めた。

ロングゲームの充実にうなずく一方、比較的イージーなシチュエーションからスコアを落とす場面も少なくなかったシーズン。この日の4バーディ、2ボギーの「68」に“取りこぼし”はなく、「そういう意味で良いゴルフ。結果(スコア)もそうだけど、準備してきたことをしっかりゲームで出せた」。会心の内容に少しだけ胸を張る。

中島啓太、久常涼との3サムでそろって好スタート(撮影/村上航)

同組の中島啓太が3アンダー、久常涼が2アンダーと3人そろって好スコアをマーク。「すごく楽しかったですね」。体調不良による欠場から復帰戦でもあるナショナルオープン。若手の代表格2人との競演で初日から盛り上げた充実感もにじんだ。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

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