ホンダ離脱のマルク・マルケス、2024年はグレシーニ・レーシングに移籍決定。ドゥカティに乗り換えへ

 10月12日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているグレシーニ・レーシングMotoGPは、2024年シーズンにマルク・マルケスを起用することを発表した。

 マルケスは、2008年に125ccクラスでロードレース世界選手権デビューを果たすと、2010年に王者に輝く。2011年にMoto2クラスに昇格すると参戦2年目にチャンピオンを獲得した。

 そして、2013年からホンダの名門チームであるレプソル・ホンダ・チームのライダーに抜擢され、MotoGPクラスにステップアップした。最高峰クラスでは初年度に史上最年少王者になると、2014年には開幕10連勝を含む、年間13勝を挙げ2年連続でチャンピオンを奪取した。

 さらに2015年は、当時ヤマハから参戦していたホルヘ・ロレンソにタイトルを奪われランキング3位となったが、2016年からは4年連続でチャンピオンに返り咲いた。2020年にはHRCとの間で、2021年から4年間と異例の長期契約を締結。

 しかし、2020年第2戦スペインGPの決勝で転倒を喫した際に右上腕骨を骨折し、3度の手術を受けたため、長い回復期間を要してしまう。2021年の第3戦ポルトガルGPで復帰を果たし、第8戦ドイツGPで581日ぶりとなる優勝を飾った。

 2022年は複視の再発に悩まされ、さらに右上腕骨を骨折の4度目となる手術を受けたことから欠場が相次いだ。この年の表彰台獲得は第18戦オーストアリアでの2位のみとなり、ランキング13位で終えることとなった。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第14戦日本GP スプリント

 そして、2023年は開幕戦ポルトガルGPでポールポジションを獲得し、スプリントで初の3位を獲得。しかし、ホンダ勢の苦戦が続くなか、マルケスの転倒も後を立たず怪我の影響もあり、これまで6戦の欠場を余儀なくされた。そのような状況が続いたが、日本GPでは雨の荒れたレースのなかで安定した走りを見せて、決勝レースでは今季初となる3位表彰台を獲得した。

 マルケスは、これまでMotoGPクラスで史上最多となる通算64度のポールポジションを獲得し、通算59度の優勝、そして最高峰クラスでは101度の表彰台に上がり、通算6度のチャンピオンを獲得した。そんなホンダのエースとして活躍を続けてきたマルケスだが、ホンダレーシング(HRC)とレプソル・ホンダ・チームと話し合いの末、10月4日に4年契約を1年前倒しさせて、早期終了することを互いに合意したことを発表。

 2023年限りでレプソル・ホンダ・チーム、そしてHRCから離れることを決断したマルケスは、2024年シーズンからは、マシンを新たに自身初のドゥカティに乗り換え、グレシーニ・レーシングMotoGPから参戦することが発表された。チームメイトは、2023年よりホンダからドゥカティに移籍し、実の弟でもあるアレックス・マルケスだ。

 11年間過ごし、圧倒的な活躍を見せてきたホンダでの関係に終止符を打ち、2024年からは心機一転ドゥカティで参戦することを決断したマルク・マルケス。兄弟でともに同じチームからドゥカティ・デスモセディチGPを駆って戦うことになる。

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