女性の通帳盗んだこと 発覚を恐れ殺害か… 元職員の男を送検【長野・塩尻市】

塩尻市の老人ホームの元職員が、入居者を殺害した疑いで12日送検されました。警察は、通帳を盗んだことが発覚するのを恐れて犯行に及んだ可能性も含め慎重に捜査しています。

殺人の疑いで11日逮捕された、下諏訪町の無職・望月大輔容疑者(40)。

■記者
「望月容疑者を乗せた車が塩尻警察署から出てきました。これから長野地検松本支部に身柄が送られます」

望月容疑者は去年5月、当時勤務していた塩尻市の老人ホームで入居者の前田裕子さん(当時77)に薬物を飲ませ殺害した疑いが持たれています。

望月大輔容疑者

施設関係者によりますと、入居者1人につき1部屋、鍵の付いた個室が割り当てられています。
居住スペースは畳6畳の和室ですが、前田さんはベッドを使っていたそうです。
警察などによりますと、去年5月29日午前8時ごろ、前田さんはそのベッドに仰向けの状態で亡くなっているのが発見されました。

施設長によりますと、朝・昼・夕方の一日3食は基本的に食堂でとりますが、朝食の時間になっても前田さんが食堂に来ず、望月容疑者とは別の職員が様子を見に行ったということです。
施設関係者によりますと、その際、部屋は施錠されていてスペアキーを使って入ったと言います。

施設長は…

■施設長への取材
「亡くなる前日、前田さんと最後に接した職員は望月容疑者だったと聞いている」

実は、亡くなる前日の昼食の時間も前田さんは食堂に来ず、職員が部屋に呼びに行ったところ寝ていたそうです。そして、その後の対応を望月容疑者が引き継いだといいます。

■施設長への取材
「前田さんから『おなかの調子が悪いから夕食はいらない』と言われたことが記録に残っていた」

望月容疑者と前田さんのこのやり取りは、部屋の中で二人だけで行われたとみられています。警察によりますと、望月容疑者は前田さんなどの介助に従事していました。
ところが…去年3月、不正に入手した前田さんの通帳を使って、現金7万円を引き出して盗んだ罪などで起訴されていて、裁判が続いています。

捜査関係者によりますと、盗みの発覚を恐れて殺害した可能性など、警察は関連を含めて慎重に捜査しています。望月容疑者の認否は明らかにされていません。

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