ヴァージン・ギャラクティック、4回目の商業宇宙飛行を実施　パキスタン出身のクルーが同国初の宇宙飛行

ヴァージン・ギャラクティックは現地時間2023年10月6日に商業宇宙飛行ミッション「Galactic 04」を実施しました。今回のミッションでは宇宙船「VSS Unity」に6人のクルーが搭乗しました。

【▲ 商業宇宙飛行ミッション「Galactic 04」で無重力状態を楽しむクルーの様子（Credit: Virgin Galactic）】

クルーを乗せたVSS Unityは空中発射母機「VMS Eve」に吊り下げられ、米国ニューメキシコ州にあるスペースポート・アメリカから米国東部夏時間2023年10月6日11時28分に離陸しました。同日12時10分に高度13kmで空中発射母機から切り離されたVSS Unityは、エンジンを点火してさらに高度を伸ばし、最終的に高度87.5kmに到達。同日12時25分にスペースポート・アメリカへ着陸しました。

【▲ 空中発射母機「VMS Eve」に吊り下げられて離陸した宇宙船「VSS Unity」（Credit: Virgin Galactic）】

クルー6人のうち、乗客は3人です。ロン・ロサ（Ron Rosano）さんは米国出身で、宇宙教育などに携わっています。トレバー・ビーティー（Trevor Beattie）さんは英国出身で、映画のプロデューサーとして活躍しています。そして、パキスタン出身のナミラ・サリム（Namira Salim）さんは、同国の出身者として初めて宇宙空間へ到達した人物となりました。なお、現在サリムさんはUAEとモナコに住んでいるということです。

【▲ 搭乗した乗客は3人。左からロン・ロサ氏、トレバー・ビーティー氏、ナミラ・サリム氏（Credit: Virgin Galactic）】

このミッションのパイロットは、アメリカ航空宇宙局（NASA）やボーイングのテストパイロットして経験が豊富なケリー・ラティマー（Kelly Latimer）氏が務めました。また、パイロットは4回の国際宇宙ステーション（ISS）滞在経験のある元宇宙飛行士フレドリック・スターカウ（CJ Sturckow）氏、クルーのインストラクターをベス・モーベス（Beth Moses）氏が務めています。

ヴァージン・ギャラクティックは2023年6月29日に商業宇宙飛行を開始してから毎月宇宙飛行を実施しており、今回のミッションは4回目の商業宇宙飛行となります。また、商業宇宙飛行の開始に先立つ2023年5月25日には最終的な有人飛行試験である「Unity 25」が実施され、6人のクルーが飛行しました。

同社はすでに次のミッションである「Galactic 05」に向けた準備を進めているということですが、詳細な日程などはまだ公表されていません。

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文／出口隼詩