ナショナルオープン連勝へ好発進 久常涼が見せた欧州仕込みのフェードボール

昨年の初出場で予選落ちから成長を見せた(撮影/村上航)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(12日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪)◇7315yd(パー70)

9月の「カズーオープンdeフランス」で日本勢3人目の欧州ツアー優勝を飾ったばかりの久常涼は石川遼、中島啓太との同組で多くのギャラリーを引き連れた。

「たぶん、僕のギャラリーさんではない。啓太くんと石川遼さんを見に来ていると思うので」と笑いながら、しっかりプレッシャーも感じていた様子。「僕のクセというか、緊張で早くなってしまっているんだろうなって」。18ホールを通して気持ちいいほど“即断即決”だったショットもパットも、実は望んでいたものではなかったという。

2人の“リョウ”が同組で「68」をそろえた(撮影/村上航)

初々しさをのぞかせる21歳だが、プレーには欧州で培ってきたスキルがはっきりと表れる。「(海外に行って)変わりましたね」というティショットの球筋。日本ツアーで戦っていた時に飛距離を稼いでいた高さも出るドローボールは、この日ほぼ“封印”。低めのフェードを多用し、深いラフにつかまるリスクマネジメントを徹底した。

とにかくプレースピードが速い(撮影/村上航)

「それ(フェード)がだいぶ打てるようになってきた。今週、狭くてプレッシャーがかかっているので、フェアウェイに置きたい気持ちが球に表れているんだと思います」。ハードなラフは異国の地を転戦して慣れたもの。主戦場よりもフェアウェイがタイトに映る茨木カンツリー倶楽部のセッティングにも対応する引き出しが、いまの久常にはある。

フランスに続き日本でナショナルオープン制覇なるか(撮影/村上航)

2連続ボギー先行直後の2連続バーディで流れに乗り、上がり5ホールで3バーディ。2アンダー「68」にまとめて2打差6位につけた。「いや、もう満足してます。上出来ですね」と声も弾む。前年は初出場で予選落ちを喫した舞台。「出るからには優勝したい。それがメジャーの今週であれば、なお良いので」。フランスに続く日本のナショナルオープン制覇へ好スタートを切った。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

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