池ポチャダボも引きずらない 中島啓太「ショットは完璧だった」

大会自己ベストとなる1打差3位発進(撮影/村上航)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(12日)◇茨木カンツリー倶楽部西コース(大阪)◇7315yd(パー70)◇晴れ(観衆4197人)

後半3番(パー3)、中島啓太が放ったアイアンショットはグリーン左手前の土手を転がり落ち、池に消えた。3オン2パットのダブルボギー。前半15番で勢いよくカップに飛び込んだ7mのパーパットも、そこから2ホール続けて決めた10m超のバーディパットも、直前の2連続バーディの流れも寸断してしまいそうな一打。しかし、誰より当の本人がいつもの涼しい表情を崩さなかった。

「右からフォローの風と信じて打ちましたし、ショットとしては完璧だったので」。手に残る感触が、引きずる必要はないと知らせてくれた。

同組で「68」の久常涼と石川遼を上回るプレー(撮影/村上航)

続く4番、1Wショットが大きく右に出たが、花道の手前に刻んで寄せワンのパーを拾った。それまでも散見された右へのミスも糧にする修正能力。「ちょっと(アドレスで)右に向いてたかもしれないと思って。残りのティショットは完璧でした。(4番のセーブから)流れを変えられた」とうなずく。

6番でミドルパットをねじ込むバーディを奪うと、初日の難度2番目、527ydのパー4となる7番も「ホントに完璧だった」と念を押す1Wショット。それでも206ydが残るタフなホールだったが、5Iで縦距離を合わせてピンそば2.5mに絡めた。パー5を除けばこの日最大といってもいいチャンスメークで2連続バーディにつなげた。

ピン型に戻したグリーン上も冴えた(撮影/村上航)

3アンダー「67」で首位と1打差の3位は、7度目の出場となったナショナルオープンで自己最高の滑り出し。「すごくいいスタート。上がりも良かったですし、パッティングの距離感も悪くない。本来、日本オープンはバーディをたくさん獲れるコースではないですし、ミスを減らしてプレーしたい」。手綱を締めるようなコメントとは裏腹に、口ぶりからビッグタイトルへの自信もにじみ出た。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

アマチュア時代から7度目の挑戦で日本一へ(撮影/村上航)

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