<レスリング>【2023年世界選手権・レビュー(3)】男子フリースタイル65kg級/優勝選手・表彰式・闘いのあと

 

(2023年9月16~24日、セルビア・ベオグラード)


【男子フリースタイル65kg級】
Muszukajev, Iszmail(イスマイル・ムスカエフ=ハンガリー、元ロシア)

 1993年1月28日生まれ、30歳。ロシア・ダゲスタン共和国出身。2012年に世界ジュニア(現U20)選手権に出場し(7位)、翌2013年同選手権で2位。2015年にはロシア最高レベルの国際大会と言われる「ヤリギン国際大会」の57kg級に出場して2位へ躍進したが、2016年リオデジャネイロ・オリンピック出場は逃す。

 その後、61kg級へ上げてロシアのトップ・レベルを維持していたが、65kg級へアップし、2019年にハンガリー国籍へ。同年の世界選手権で前年世界王者の乙黒拓斗(日本)を破って銅メダルを獲得。2021年東京オリンピックは、乙黒にリベンジされるなどして5位に終わった。

 休養のあと、2022年欧州選手権で優勝し、同年の世界選手権で銅メダル。2023年は「ザグレブ・オープン」(クロアチア)5位などを経て、世界一へ輝いた。ハンガリーは男子グレコローマンが強く、男子フリースタイルの世界チャンピオンは1979年のイストバン・コバチ(82kg級)以来、2人目の世界チャンピオン。


 ■イスマイル・ムスカエフの話「私を受け入れていただき、機会を与えてくださったハンガリーに、心より感謝します私は29歳でヨーロッパ選手権のタイトルを初めて獲得しました。次は、絶対に世界選手権の表彰台の最上段に立つことを考えていました。パリ・オリンピックが近づいています。私は『今じゃないなら、いつ?』と思っています。残るはオリンピックの金メダルだけです。オリンピックでも優勝できれば、子供の頃の夢がかないます」


《1回戦~決勝の成績》トーナメント表
決 勝  ○[テクニカルスペリオリティ、4:27=11-0]Rivera, Sebastian C(プエルトリコ)
準決勝  ○[6-5]Amouzadkhalili, Rahman Mousa(イラン)
準々決勝 ○[5-4]Mamedov, Shamil(AIN=ロシア)
3回戦  ○[フォール、3:42=6-1]乙黒拓斗(日本)
2回戦  ○[7-0]Ospanov, Adil(カザフスタン)
1回戦   BYE


【表彰式】

[2]Rivera, Sebastian C(プエルトリコ)
[3]Tevanyan, Vazgen(アルメニア)
[3]Mamedov, Shamil(AIN=ロシア)
[5]★Amouzadkhalili, Rahman Mousa(イラン)
[5]Sacultan, Maxim(モルドバ)

※オリンピック出場枠は1~3位と、★印の5位選手が獲得

© 公益財団法人日本レスリング協会