「全世界に行きわたるように」国内シェアは100%!“餃子のまち”生まれの業務用餃子製造機【しずおか産】

<大石勝博ディレクター>
「いただきます。皮はパリパリ、中はふっくらして、おいしい餃子です。日本の食を支える餃子、実はしずおか生まれのものが支えているんです」

【写真を見る】「全世界に行きわたるように」国内シェアは100%!“餃子のまち”生まれの業務用餃子製造機【しずおか産】

それは餃子を作り出す業務用の製造機です。餡と皮をセットすれば、機械が包んで、餃子1つをわずか2秒ほどで作ってしまいます。

機械を作っているのは、浜松市の東亜工業。1963年、いまから60年前に創業しました。餃子の製造機はいまからおよそ40年前に開発しています。

<東亜工業 伊藤喜文さん>
Q.すごく多くの機械がありますね?
「出荷待ちの機械と調整する機械を保管している。製造開始から累計で8000台以上。国内市場では好評をいただいておりまして、ほぼ独占状態と把握している」

国内シェアは、ほぼ100%。評価を受ける理由は、初心者でも操作が簡単なことです。たとえば、皮の置き方。

<東亜工業 伊藤喜文さん>
「皮を正確な位置に置かないと、うまく握れないのでは使い勝手が悪い。皮を置く位置がアバウトでも動いている間に…あ、いま、枠の中に入りましたね」

金具の枠に、皮をかけると一番よいのですが、ずれたところにおいても…。

<大石勝博ディレクター>
「ここで、すでに枠の中に入る訳ですね」

操作に手間がかからないことで、店側から大きな支持を得ました。餃子の皮をきれいに折りたたむ部分の「パレット」と呼ばれる金具もこの会社が開発しました。

<東亜工業 伊藤喜文さん>
「弊社は自動車部品のプレス加工を生業としていたが、このパレットに応用した」

この会社が初期に開発したもののひとつがレジャーボート、車やバイクの製造技術を生かした製品を作っていました。

そこに「効率的に餃子を作れないか」という餃子店からの声があり、餃子の機械づくりをはじめ、35年前に餃子の小型製造機を開発したのです。製造機は地元・浜松をはじめ、全国へ広がりました。

こちらの店の人気メニューはソーキそばと餃子のセット。餃子はキャベツの甘さを生かした味が人気の理由ですが、浜松餃子より少し大きめです。

<果報 大石小百合さん>
「ある程度のボリュームが欲しかったのと、しっかり焼き上げたかったので、全体では25g。皮の大きさとか、皮のグラムもこちらの方からいって、それに合わせて、オーダーで作ってもらいました」

店の希望は千差万別。そこで、会社では、皮に餡をつめ、形を作るさまざまな型、パレットを準備しています。

一例を挙げても、10~30gまで。ちなみに、九州ではおよそ15g、関東ではおよそ25gの型が人気なんだそうです。この小型製造機が次に狙うのは世界です。

<東亜工業 製造技術2課 伊藤喜文さん>
「日本の人口に比べたら、全世界で考えると、何倍、何十倍と人口がいるわけですから、そういった方に行きわたるように、餃子の機械づくりに精進していきたい」

© 静岡放送株式会社