睡眠、6時間未満が4割 過労死白書、1万人調査

理想と実際の睡眠時間

 政府は13日、過労死・過労自殺の現状を分析した2023年版「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。労働者約1万人を対象とした大規模な睡眠の実態調査を実施。45.5%は睡眠が6時間に満たないと回答した一方、62.5%が理想は7時間以上と考えており、隔たりが目立った。

 睡眠不足に陥ると肉体の疲労が回復せず、精神にも悪影響がみられると白書は指摘。過労自殺につながりかねない精神障害による労災認定は、22年度に710件で過去最多となり、厚労省の担当者は「長時間労働を是正し睡眠を確保する必要がある」と強調した。

 白書によると、労働者が実際に確保している睡眠時間は、5時間未満との回答が10.0%、5~6時間未満が35.5%、6~7時間未満が35.2%。理想は7~8時間未満が45.4%で最多、8時間以上は17.1%だった。

 睡眠欲求が満たされないほど心の健康を損なう恐れがあり、理想よりも4時間不足している人の27.4%、5時間不足している人の38.5%が「重度のうつ病・不安障害の疑い」があるとされた。

© 一般社団法人共同通信社