10月は乳がん月間 元患者が自身の経験生かしタオルを開発

10月は乳がん月間です。正しい知識や早めに受診することの重要性を多くの人に広める活動が全世界で行われています。一方、都内に住む乳がんを経験した主婦が、患者のためのタオルを開発しました。いったいどんなものなんでしょうか?

都庁では10月1日からの乳がん月間に合わせ、シンボルである「ピンクリボン」にちなんでピンク色のライトアップが行われています。また、都内ではこの期間に都と日本対がん協会などが連携し、乳がんの情報をまとめたチラシやピンクリボンのバッチを配布しています。

さらに、都内の自治体では患者への支援も広がっています。今月、北区で始まったのは乳がん患者を含む、がん患者に向けの医療用ウィッグなどの購入費用の助成です。北区の山田区長は以前の会見で…

北区 山田区長:「講演会やアピアランス(外見)ケアに関する相談会なども実施をしていき、がん患者の方々に寄り添った支援を区としても開催していきたいと思います」

乳がんの経験者を対象に実施した調査によりますと、精神的な不安を挙げる人が多い中、次に多かったのが手術で胸がなくなるといった外見の変化に辛さを感じる人でした。そうした乳がん患者のために、ある商品が開発されました。

記者:「こちらのタオルはボタンを留めるだけで、さりげなく胸元を隠してくれるんです。肌触りも柔らかくて気持ちいいです」

このタオルを作ったのが、荒川区に住む三上さんと渡部さんです。

三上さん:「私が2019年に乳がんを罹患しまして、後にリハビリを兼ねてジムに通っていた。その際にシャワーとかを浴びるシーンがあって、そのときに胸を隠す、傷もありますので、カバーできるタオルが欲しい」

2人が商品化の中で最もこだわったのが、生地選びです。開発中、試作品をつけたままシャンプーをすると、普通のタオル地だと泡のぬめりが溜まってしまったり、水を吸ってタオルが重くなることなどが課題となりました。そこで2人が思いついたのが…

渡部さん:「ここをメッシュにすることで、その二つが解消される。生地屋さんにちょこちょこ顔出して、どういった生地がいいんだろうっていうのをそのプロに相談して」

また、商品には利用している人の声も反映させました。

渡部さん:「お客様の中で隠すっていう意味で言うと、目立たない方がいいっていうご意見をいただいて、今回は無地を新しくラインアップの中に入れて」

商品を購入した人たちからは、喜びの声が聞かれました。

購入者:「乳がん術後の母にプレゼントしました。「温泉行きたい、すぐ使いたい、今日のお風呂で使ってみる」と大喜びでした」「手術痕があるため人目を気にしてしまい、ゆっくり寛ぎに温泉に行ったはずなのに、逆に落ち着かず疲れて帰ってくることが多かったので、素敵な商品をありがとうございました」

自身の経験を踏まえ、開発された乳がん患者のためのタオル。2人は商品をより多くの人に届けたいと話しています。

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