地図アプリで安全、魅力的な神戸登山に改善 崩れた階段、迷いやすい道…投稿を反映 市が「ヤマップ」と連携

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 神戸市は、登山者向けの地図アプリを手がける「ヤマップ」(福岡市)と連携協定を結んだ。神戸市は「神戸登山プロジェクト」と題し、本年度から登山を核とした観光戦略に取り組む。同社のアプリやノウハウを生かし、登山者の安全や魅力の向上に力を入れるという。(井沢泰斗)

■119番通報。毎年30件

 六甲山系や丹生山系に多彩な登山道を持つ同市だが、六甲山系では道に迷った登山者からの119番通報により、毎年30件程度出動しているという。老朽化や災害で登山道も傷み、安全性や利便性が課題になっていた。

 そこで活用するのが、390万件(今年8月時点)のダウンロード数を誇る同社のアプリ「ヤマップ」。衛星利用測位システム(GPS)を使って登山者自ら位置情報やルート、写真を共有できる機能があり、近年は警察や消防から遭難者の位置情報を照会されるケースも多いという。

 今回の協定では、登山者に崩れた階段や道に迷いやすい地点を投稿してもらい、同社がその分析データを市に提供する。市はデータを階段の整備や効果的な案内看板の設置に生かすほか、利用の多いルートが可視化される機能を使い、休憩所やトイレなどの優先的な設置を進めるという。

 同社にとってはアプリの利用者を増やし、市から詳細な登山ルートの情報を提供してもらえるメリットがある。担当者は「神戸の山々は麓の街に近いのが特徴。登山道の安全性を高めつつ、地域が潤う循環型の取り組みも同時に進められれば」と語った。

 アプリ内では来年1月8日まで、六甲山系、丹生山系の登山道で整備が必要な道や看板を投稿すると、抽選で商品が当たるキャンペーンも実施している。投稿の際には「六甲山登山道整備キャンペーン」のタグを選ぶ。

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