商船三井の新クルーズ船 26年に茨城・大洗港就航へ

2026年に大洗港に就航予定のミツイオーシャンフジ(商船三井提供)

商船三井(東京、橋本剛社長)は12日、米国社から購入したクルーズ船の名前を「MITSUI OCEAN FUJI(ミツイオーシャンフジ)」に決めたと発表した。2024年12月に運航を始め、26年にも茨城港大洗港区に就航する予定。

名前の由来は、かつて同社が所有した「ふじ丸」と日本の象徴の富士山にちなんだ。米国シーボンクルーズ社から既存の船を今年3月に購入した。

総トン数約3万2千トン。全長約198メートル。全幅約25メートル。客室数は229室で全てスイートルーム。船客定員458人。四つのレストランを備える。

グループ会社の商船三井クルーズが運営し、24年12月に運航を始める。25年には世界一周を開催する。また国内2~3泊企画や、インバウンド(訪日客)向け企画も行う。大洗港には26年にも就航して年間3~4回の発着になる見通し。

会見で商船三井の向井恒道常務は「欧米のお客さまに最高のクルーズ体験を提供した船を部分改修し、ラグジュアリーな施設に加え、日本らしいきめ細かなサービスが可能となる」と話した。

同社はクルーズ事業に力を入れ、27年以降にも船2隻を新造する。国内のクルーズ市場はコロナ禍から急回復している。商船三井クルーズの上野友督社長は「体験型観光が好まれ、クルーズ船はまさに乗船することが体験になる。日本人の利用人口は諸外国に比べてかなり少なく、マーケットは伸びている」と期待する。

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