本県の空気、再び日本一 21年度PM2.5濃度、最も低く

 本県の大気中のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度が2021年度、全国でも最も低い数値となったことが12日、県のまとめで分かった。「日本一空気がきれいな都道府県」の座を、2年ぶりに奪還した。

 県水大気環境課によると、PM2.5は全国約800カ所で測定されている。県内では県が8カ所、山形市が2カ所に測定局を設け、24時間体制で監視。各測定局のデータを県環境科学研究センターに集め、県のホームページでリアルタイムで公開している。

 県は、国立環境研究所が集約した全国データを基に年平均濃度を算出、比較した。21年度まで5年間の都道府県別上位は下表の通り。

 国の環境基準は1立方メートル当たり年平均15マイクログラム以下。本県の16~19年度は8.1~5.7マイクログラムで、4年連続で全国1位の低さだった。20年度は北海道に僅差でトップを譲ったが、21年度は5.6マイクログラムと最も低かった。

 県内の数値が低い理由について同課は、世帯当たりの乗用車保有台数は多いものの、▽豊かな自然▽工業地帯から離れている▽地理的に中国からの越境汚染の影響を受けにくい―といった要因が考えられるとしている。担当者は「野焼きも原因となる。電気自動車の使用やエコドライブなど、一人一人に環境問題を意識してもらい、空気がきれいな状況を守ってもらいたい」と話している。

【空気がきれいな都道府県トップ3】

1立方メートル当たりのPM2.5(単位はマイクログラム)

▽17年度=(1)山形7.0(2)石川8.2(3)沖縄8.3

▽18年度=(1)山形7.3(2)北海道8.0(3)沖縄8.2

▽19年度=(1)山形5.7(2)北海道6.9(3)石川7.2

▽20年度=(1)北海道6.2(2)山形6.5(3)石川6.7

▽21年度=(1)山形5.6(2)石川5.9(3)北海道6.1

(国の環境基準は年平均15マイクログラム以下)

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