今シーズン、広島カープが2位と躍進した要因と、クライマックスシリーズ(CS)に向かう意気込みを、“攻撃のキーマン”・西川龍馬 選手に聞いた。
唯一無二のバットコントロールで新井カープの攻撃の要を担う 西川龍馬 ――。今シーズンは打率リーグ2位、かつ安打数と打点はチームトップの活躍。しかし、その成績に、達成感はなかった。
西川龍馬 シーズン成績
打率.305 安打127 打点56
広島カープ 西川龍馬 選手
― 今シーズンの自身の成績について
「やっぱり、ちょっとなんか中途半端やし、なんかもの足りんなっていうのはありましたね」
プロ8年目で初めて一流バッターの証、“規定打席での打率3割” を残すも、もの足りなさを感じる西川――。それは開幕前から細心の注意を払っていたにも関わらず、けがでの離脱があったからだ。
4番も任されていた7月、右わき腹肉離れで離脱を余儀なくされた。
西川龍馬 選手
― 途中で離脱してしまった時期、チームをどう見ていた?
「正直、ぼくがけがしてから10連勝して、なんか複雑でもあり、なんかほっとする部分もありっていう、うん。これで、ずっと連敗したら、『おれのせいやな』みたいなことを思うかもしれないですけど、そういうのもなかったので。なんか複雑な感じでしたね、気持ちの方が」
― なるほど。勝ってうれしいんだけどと…
「勝ってうれしいけど、なんか、こう…みたいな」
― その期間を経て、1軍に帰ってきたとき、よりやってやろうっていう思い?
「よりやってやろうって思っていましたけど、ぼくが帰ったら、また連敗するから。あれっ?みたいな。もうちょっと後の方がよかったかなと思ったりもしたり」
1軍復帰後は、けが明けを感じさせないプレーでチームの躍進を支えた西川。しかし、9月の試合で再び右わき腹に張りを感じる。それでも、なんとか出場を続けようとした西川に 新井貴浩 監督が声をかけた。
西川龍馬 選手
「多少、痛くてもやらなあかんなとは思っていたので、残りも少なかったので。だから、『ある程度できます』って言っていましたけど、(新井監督は)『ここじゃないから』って、『とりあえずCSにおってもらわんと困る』っていうふうに言ってもらって、『あっ、じゃあ、わかりました』」
― そのとき、西川選手はどういう思い?
「正直、試合に出られるレベルの状態じゃなかったので。なんとか代走か守備でどこかしらでチームに貢献できればと思っていましたけど。ぼくは打つ方を期待されていると思っているので、バットを振れなかったら、おる意味がないかなというふうに思って、そこは『わかりました』と」
指揮官の判断でシーズン終盤はけがの回復に専念した西川。おかげで右わき腹の状態も上がり、勝負のポストシーズンで暴れる準備が整った。
西川龍馬 選手
― クライマックスシリーズ、どういう戦いのイメージ?
「まあ、ほぼ一発勝負なので。ぼくは、社会人一発勝負の経験をしているので、なんとなく試合の流れというか、ここでこうやったらなんとか行けるかなっていうのも多少わかっているつもりなので、それこそバントが大事になってきたり、ピッチャーの代わりどころとか、代打の行くところとかも大事ですし。だから、その辺は監督に任せて…。アウトになるにしても、“意味のあるアウトができれば勝てる” と思うんですけどね」
『1つのプレーがシリーズの勝敗を左右する』――。西川はそんな一発勝負を経験してきたからこそ、真っ赤に染まるファンの力にも期待している。
広島カープ 西川龍馬 選手
― マツダスタジアムでの開催ということについて。
「それもぼくらにとってはめちゃくちゃデカいので。なんとかDeNAを声援で抑えてもらって、なんとか、その声援にぼくらが応えられればいいかなと思います。1試合も落とせないっていう気持ちで戦いたいなと思います」
◇ ◇ ◇
中根夕希 キャスター
シーズン中にいろんなくやしい思いもしたからこそ、このCSに全て照準を合わせているのが感じられました。
青山高治 キャスター
気持ちが伝わりましたね、うん。
(RCCテレビ「カーチカチ! The ゴールデン 新井カープCS直前特番」より)