コロナワクチン秋接種、県内一部で予約困難 国の供給量、想定下回る

 9月下旬から始まった新型コロナウイルスワクチンの秋接種で、県内の一部自治体で希望者が予約できない事態が続いている。国からのワクチン供給量が市町の想定を下回っていることなどが要因。多くの市町の集団接種会場では予約の空きが出るとすぐに埋まってしまう状況だ。

 秋接種は初回接種(1、2回目)を終えた生後6カ月以上の人が対象で、国は高齢者や基礎疾患のある人に積極的な接種を呼びかけている。オミクロン株派生型「XBB・1.5」に対応した改良型ワクチンが使われる。無料で受けられる最後の接種になる見通し。

 県によると、本県には9月20日~10月15日分として約38万回分のワクチンが供給された。同16日~11月5日では約15万回分が追加され、市町に配分される。

 供給量は接種対象者の約3割にとどまるため、接種意欲の高い高齢者が多い市町では予約が困難になっている。那珂川町では個人・集団の接種受け付けを始めた翌日に、10月1日~12月24日までの約3千人分の予約枠が全て埋まった。塩谷町でも1週間で埋まり、那須町もいっぱいの状況だ。

 特に集団接種会場では予約が取りづらく、那須烏山市は先週に計350人分の予約枠を新設したところ3時間弱で満員になった。10日に予約を開始した下野市も1日で全てが埋まった。

 少しずつ改善している自治体もあり、予約受け付けを一時中断した那須塩原市や日光市では現在、再開。一時はキャンセル待ちが約280人に上った益子町も50人程度にまで減った。

 県感染症対策課の担当者は「ワクチンの供給が進めば予約がしやすくなるはず。リスクの低い方でも感染すると重症化することがあるので、冬に向けて接種を検討してほしい」としている。

© 株式会社下野新聞社