新潟県村上市で伝統漁法による鮭漁が始まります。

鮭を大切にしてきた新潟県村上市

村上市鮭公園(サーモンパーク)内に立つ青砥武平治の像

古来より、川を遡上してくる鮭によって栄えた新潟県村上市。古くは、平安時代に編さんされた書物『延喜式』に越後国から朝廷へ鮭を献上したという記録があり、この鮭には村上で獲れたものが含まれていたといわれています。江戸時代には、三面川の分流・種川において世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に成功。その事業に尽力した村上藩士・青砥武平治の功績は現代まで語り継がれています。

村上に根づく鮭文化

鮭の骨やヒレ、皮、内臓も余すことなく調理し、おいしく食べる。村上に伝わる鮭料理の数は百を超えるといわれています

村上市では、言葉や料理においても独自の文化が育まれました。村上の方言で鮭は「イヨボヤ」と言いますが、「イヨ」は魚、また「ボヤ」も魚という意味であり、鮭は「魚の中の魚」という意味になります。鮭に関する料理は「塩引き鮭」や「鮭の酒びたし」をはじめ百種類を超えるといわれており、頭の骨から内臓、ヒレに至るまでを捨てることなく調理し、その命を大切に食します。

村上市内を流れる三面川では、伝統漁法「居繰網漁」による鮭漁が行われます(例年10/20~11月末)

例年10月下旬~12月まで、村上市内の河川では鮭漁が行われます。三面川では、ウライと呼ばれる柵を設けて鮭を捕まえる「ウライ漁」、川舟を操って網で鮭を捕らえる「居繰網漁」、大きなかぎ針で鮭を引っかけて釣り上げる「テンカラ漁」を見学することができ、中でも居繰網漁は三面川でしか見ることができない伝統漁法です。ぜひご覧ください。

2023(令和5)年 三面川の居繰網漁 実施概要

実施期間 2023年10月21日(土)~11月30日(木)

実施時間 月・火・木・金・土曜日…9:00頃~/日曜日・祝日…9:00頃~/13:00頃~

備考 ●三面川左岸で実施します ●柵(ウライ)の延長線上から300~400メートル下流で行います ●漁の状況によって早く終了する場合があります ●悪天候や西風が吹くとき等は出漁しない場合があります ●見学は無料です ●水曜日は休漁します ●各時間1回のみの出漁です

2023(令和5)年 三面川の居繰網漁

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