関西大学の学園祭 来場者数日本一へ 過去最多の15万人以上目指す 4年ぶりコロナの制限なし

秋の学園祭シーズンを迎え、関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市)で11月2日から4日間の日程で行われる関西大学の学園祭「第46回関西大学統一学園祭」の実行委員会が、大学祭での来場者数日本一を目指すと宣言した。2019年には、12万人を動員した西日本最大の学園祭。コロナ禍での開催制限が4年ぶりに撤廃される2023年は、過去最多となる15万人以上の来場を目標に掲げた。

学園祭で行われる実業家でホストのROLAND、タレントのアンミカによるトークショーのチケットは、発売開始当日に完売した。シンガー・ソングライターの清水翔太が出演する11月4日の学園祭ライブは3500人規模で行われるが、ローソンチケットで14日から一般発売される若干数を残すのみに。注目度が高まっている。

関西大学統一学園祭実行委員会常任委員長の商学部3年生、守部誉さん(21)は「来場者数に対する強い思いがある。800人の実行委員が同じ方向に向かう組織になるよう、15万人という目標をつくった。今までで一番の来場者数を呼べるような、ええ学園祭にしたい」と思いを語った。

10月13、14日に東京・日本武道館で2日間公演を行う清水翔太が、関大の学園祭に来演する。ライブ責任者で経済学部3年生の石田将貴さん(21)は「他にも候補がいたが、ぼくらは中学・高校時代に清水翔太さんをよく聴いていた世代。清水さんが来るということで、周りの学生も驚いていた」と話し、関大生向けのチケットが完売する反響に手応えを感じていた。

ROLAND、アンミカのトークショーを担当する講演局の商学部3年生、森貫家(かい)さん(21)は「2人とも、社会的に声を出されているタイプ。考えを持って本を出して、言語化できる人を呼ぶというのは、学生にとって絶対にプラスになる。トークショーというより講演会の意味合いが大きい。ROLANDさん、アンミカさんも、全部答えたいんですよとおっしゃっている」と明かした。各回1000人の学生に応える〝NGリスト〟なしの講演会で、日本一の学園祭を後押しする。

関西大学の学生数は、2万9797人。来場者数15万人超えの目標達成には、キヤンパス周辺の地域住民の来場も鍵となる。実行委員幹部の環境都市工学部3年生・井原直生さん(21)は「地域の方々や家族連れの方に楽しんでいただけるよう、スタンプラリーや射的、ボールすくい、記念撮影など子どもに寄り添った企画も多い」と、大学生だけでなく全世代に楽しめるイベントを用意している。

学園祭の華・模擬店は160団体が参加。出店を管理する経済学部3年生の四方田一樹さん(21)は「フランクフルトや焼きそばなどがやっぱり多いのですが、メロンパンアイスやチーズボール、ズッパ(イタリア料理のスープ)などめずらしいメニューを扱う団体も多い」と、最近の模擬店トレンドを明かした。

関西大学千里山キャンパスは、日本一女子学生が多いキャンパスとしても知られる。模擬店では、クラブ・サークルの男女がさまざまなコスプレで客を引く。学園祭財務局長の経済学部3年生、長迫心虹(ここな)さん(21)は「学生と触れ合える交流の場でもある。大学生の情熱を、感じてもらえれば」と呼びかけた。

2020、21年の学園祭は、コロナ禍でオンライン実施。対面開催が復活した22年は参加人数などの制限もあり、5万6195人の来場にとどまった。実行委員は、大学生になって初めてコロナ禍による制限がない学園祭を創り上げる。

今年の学園祭のタイトルを「笑(わろ)てんか」とした守部さんは「昨年、来ていただいたお客さんから元気をもらった。想像していなかった満員の会場で、お客さんからパワーをもらった。来場者とのつながりを通して、僕たちから愛と笑顔を届けたい。学園祭を通して、成長させてもらっている部分もある。来場者に、何か活力となるようなものを持って帰ってもらえれば」と、2022年以上の笑顔あふれる祭にする。

「コロナ以前の学園祭を知らない世代が最上級生になって、新しい学園祭を創るというのは意味がある。僕らも全然、コロナ前の学園祭の話を知らなくて。後々の代から、2023年の学園祭はすごかったと言われるような学園祭にしたい」と、実行委員の社会学部2年生内田健二朗さん(21)は意気込む。来場者数、内容ともに「日本一の学園祭」に向け、800人の実行委員が授業後の夜遅くまで準備に追われていた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

© 株式会社神戸新聞社