ねっとり甘いサツマイモ 串本町特産「なんたん蜜姫」収穫始まる、和歌山

収穫したなんたん蜜姫(7日、和歌山県串本町潮岬で)

 和歌山県串本町特産のサツマイモ「なんたん蜜姫」の収穫が、町内の畑で始まっている。栽培に取り組む「串本さつまいも会」(柴田明夫会長)によると、作業は11月上旬まで続く。

 なんたん蜜姫は赤みを帯びた黄色い果肉と、ねっとり濃厚な甘みが特徴。県によると、同町では温暖な気候を利用して昔からサツマイモの栽培が盛んで、1615年にすでに栽培していた記録が残っているという。

 串本さつまいも会では、潮岬の耕作放棄地を活用して10カ所の畑で栽培している。昨年は約4トンを収穫した。JAなどに出荷したほか、焼酎の原料としても活用。なんたん地域活性化協議会では、今年からなんたん蜜姫を使った焼酎「カイロス」の販売を始めている。

 今年初収穫となった7日は、潮岬にある約4アールの畑で会員ら約10人が作業をした。つるを鎌で切ったり、黒いマルチシートを取り除いたりした後、耕運機を使って土の中からなんたん蜜姫を掘り起こしていた。収穫したなんたん蜜姫は、甘さを引き出すために1カ月ほど貯蔵して出荷する。規格外のものは田辺市の産直店でも販売するという。

 柴田会長(74)は「出来が良くて安心した。極上の甘さで上品さがある。焼きいもにしたら絶品。ぜひ食べてほしい」と呼びかけている。

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