岡山県産ヒノキで絵本開発 美作・福島製材、商品化へCF

県産ヒノキの舞台で物語が展開する絵本を紹介する福島さん

 「県産ヒノキの素晴らしさと大切さを子どもたちに感じてもらいたい」。建築用木材などを製造する美作市古町の福島製材は、岡山県が全国トップクラスの生産量を誇るヒノキを使って紙芝居型の絵本「森の小さな絵本劇場」を開発した。商品化に向けてクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

 岡山発をアピールしようと、題材には「ももたろう」を選んだ。A4判20ページで、ヒノキの収納ケース(幅33センチ、奥行き27.5センチ、高さ8.5センチ)やキャラクターの駒とセットになっている。ケースは広げると舞台に早変わりし、絵本に合わせて駒を舞台に並べることで、子どもが登場人物と一緒に遊んでいるような感覚を味わえる。

 ヒノキの香りや肌触りを安心して楽しめるようにケース、駒はほぼ無塗装で仕上げる。玉野市出身で柴犬をモチーフにするイラストレーターの湖中そうさんが絵を手がけ、桃太郎の仲間になる犬は赤柴、黒柴、白柴の3匹が登場。湯郷温泉や岡山城といったスポットとともに物語を彩る。

 桃太郎一行が鬼ケ島に渡るために木を切って舟をつくり、終盤には苗木を植える場面も出てくる。企画した同社製材部長の福島徹さん(48)は「絵本で遊ぶ中で、木を切って、使って、植えるサイクルにも触れてほしい」と話す。

 CFサービスは山陽新聞社や中国銀行の「晴れ!フレ!岡山」を活用。50万円を目標に11月5日まで募る。完成品などを返礼品として用意している。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/111878)。

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