「もはや赤紙」バスケ日本代表 “辞退したら罰則”が波紋…島田チェアマンは急遽反論

(写真:アフロ)

日本バスケットボール協会の男子代表強化検討委員会が10月12日、都内で会見を開いた。

しかし、その内容が物議を醸している。

「スポニチアネックス」によると、会見で同委員会は「男女日本代表への招集を辞退した選手に対して、理由の正当性の有無にかかわらず、代表活動期間中の所属クラブでの公式戦出場を認めない」と発表。Bリーグチェアマンの島田慎二委員長(52)は「代表招集に対する拒否権は基本的にはない」と説明し、代表引退を表明している選手に対しても「基本的にはそういう(代表引退の)概念はないと考えている」と語ったという。対象は国内のチーム所属の選手。

このルールのあまりの強制力に、X(旧Twitter)などSNS上では厳しい声が上がっている。

《もはや「赤紙」じゃないですか。こんなの応援できない。断られない環境作るべきでしょう》
《やりたい人だけでやればいいじゃない。徴兵じゃないんだからさ》
《無理やり招集して何になるのか。今の時代に赤紙かな笑 日本バスケを強くしたいなら、選手の気持ちやモチベーションも考えてほしいものだ》
《代表の強化は重要事項やけど、罰則設けてまで強制する必要はない気が》

さらに、この会見の内容には選手たちの間にも戸惑いが広がった。現在NBAのフェニックス・サンズに所属する渡邊雄太選手(29)は、自身のアカウントで《明らかにだいきさんじゃなくれ俺に対して言ってるようなきがするけど、国内選手限定ってどゆこと。Bリーガーも必死で自分たちのシーズンやってる中で代表として海外試合に出てくれてるのに。さっき起きて、時差でまだ中の人たちと連絡とれてないんで真偽は不明》と苦言。

W杯では主将を務めた千葉ジェッツふなばしの富樫勇樹選手(30)も、《昔より代表に入りたいと本気で思ってる選手もたくさんいるし、なんかの理由で一度辞退した選手をもう呼ばないと判断するのはその時のヘッドコーチが決めればいいし、気持ちがない選手を無理やり招集してなにになるんだろう》と思いを綴っていた。

■島田委員長「送り出すクラブもそうならないことが幾度とありました」

波紋を広げ、批判が相次ぐことになった今回の方針。島田委員長は13日の早朝、自身のnoteで急遽反論した。

《Bリーグ規約で日本代表に招集されたら、参加しなければならないということは履行義務として定められています》

《今は、日本代表参加に対して多くの選手たちはポジティブだと思います。しかし、選手だけでなく、送り出すクラブもそうならないことが幾度とありました。だからこそ、ルール通りに運用するということ、罰則がないと公平性の観点からも難しいという判断から明確化しています》

さらに、《日本代表で長年プレーをして自身の意思で代表引退を決意し、発表したら?》という質問があったとし、それに対しては《選手が自身の意思で決めて、発表することは自由ですし、否定するものではありません。しかし、ルール上はここの線引きではなく、Bリーグの選手ならば、招集があった場合には参加しなければならないという前提がある》と伝えたと語った。

そして、《一番大切なことは、誰もが勝ち取りたい、目指したい、選手たちにとっても価値ある、クラブとしても代表選手を抱えたい日本代表であり続けることだと思います》と結んでいた。

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