CSへ 広島カープ 「勝てれば何でもいい」初戦先発・床田寛樹 × 矢崎拓也 同期対談 今季の躍進に貢献 “投” のヒーロー【クライマックスシリーズ】

いよいよ始まるクライマックスシリーズ(CS)を前に、今シーズン、広島カープの躍進に貢献した “投” のヒーロー・床田寛樹 と 矢崎拓也 の初めての対談が実現した。2人は、2016年ドラフトの同期入団。進化のウラ話とCSについて語り合った。

広島カープ 床田寛樹 投手
「(対談取材は)初めてじゃない?」

広島カープ 矢崎拓也 投手
「(テレビに2人で)出るのは初めてです」

床田寛樹 投手
「敬語でしゃべった方がいいの? おまえになんか振られたら、『そうですね』とか…」

矢崎拓也 投手
「なんで? タメ口でいいでしょ」

5年ぶりのCS進出へ大きく貢献したプロ7年目、同期コンビの 矢崎拓也 × 床田寛樹 の初対談――。まずは、“ある写真” を見てもらいました。

矢崎拓也 投手
「若っ」

床田寛樹 投手
「(笑)」

矢崎拓也 投手
「若い。2人ともやせてますね。ガリガリじゃん」

床田寛樹 投手
「やせてるな。このとき、(体重)65キロとかそんなや。今、92キロ」

矢崎拓也 投手
「(7年前、カープに)入ったときは全然、系統が違うタイプというか、(床田は)超感覚派みたいな。ぼくはわりと真面目な方だったので、初めて会ったときからずっと言っていました。『おまえとは仲良くなれる気がしなかった』って、最初(笑)」

床田寛樹 投手
「絶対、無理やって…(笑)」

矢崎拓也 1年目 7試合 2年目 1軍登板なし
床田寛樹 1年目 3試合 2年目 1軍登板なし

矢崎拓也 投手
「すぐに床田はけがをして、リハビリとかしていたので。で、ぼくも全然、上には上がれずみたいなときからずっとだったので。同期では最初に アドゥワ(誠)がバアッって行ったのかな。2年目…」

床田寛樹 投手
「…と(高橋)昂也じゃない?」

2016年ドラフト同期(※は大卒)
1 矢崎拓也 ※
2 高橋昂也
3 床田寛樹 ※
4 坂倉将吾
5 アドゥワ誠
6 長井良太

矢崎拓也 投手
「…昂也か。なんか、大卒のぼくらはもうちょっとがんばんなきゃねねみたいな感じで話したことはありますけど。本当に去年ぐらいから一緒に試合を上でやることになって、それはよかったなって思います」

2022年
矢崎拓也 47試合で防御率1.82
床田寛樹 17試合に先発 8勝

7年目のことし、床田は先発としてチームトップの11勝。矢崎も自己最多54試合に登板し、24セーブをマークしました。

2023年
床田寛樹 24試合 11勝 7敗 防御率2.19 投球回156
矢崎拓也 54試合 4勝 2敗 24セーブ 10ホールド 防御率2.81

そんなレギュラーシーズンを振り返って…

床田寛樹 投手
「がんばったんじゃない…」

矢崎拓也 投手
「(笑)がんばったかな…」

床田寛樹 投手
「でも、危うく、おれのせいで3位になるところだったけど、2位になってよかったなあと思います。もう全部、キャリアハイ」

矢崎拓也 投手
「ああ、そうか。規定(投球回)も」

床田寛樹 投手
「初めて規定(投球回)に行って、2けた勝って、この2つは目標にずっとしていて、まあ、防御率はちょっとできすぎかな」

矢崎拓也 投手
「特に目標はなかったから、おれは」

床田寛樹 投手
「でも、去年より投げているやろ?」

矢崎拓也 投手
「うん。それはよくがんばったなと思うけど、使ってもらわないと話にならないから」

床田寛樹 投手
「24セーブ…」

矢崎拓也 投手
「もう1個ぐらいあったら…」

床田寛樹 投手
「見栄え的に…」

矢崎拓也 投手
「きりがよかったかな」

さらに床田がこだわっていた数字が、自らのヒット。セ・リーグのピッチャーで最多の11安打をマークしました。

床田寛樹 打率.275 安打11(セ・リーグ投手トップ) 打点1

矢崎拓也 投手
「(ヒットを)稼いだな、最後に」

床田寛樹 投手
「稼いだ(笑)。最後、8本やったから2本打ちたいと思って」

矢崎拓也 投手
「3本!」

床田寛樹 投手
「打点がもうちょっとほしかったね」

矢崎拓也 投手
「野手か!」

思い出の試合は――

矢崎拓也 投手
「ロッテの試合(プロ初の同期リレー)が思い出深いかなあ」

床田寛樹 投手
「うん。あれ、初めておれが8回まで投げて、おまえが9回投げて…」

矢崎拓也 投手
「子どもが生まれるっていう日やろ?」

床田寛樹 投手
「生まれたあと(6月9日 床田 試合前に第1子誕生)」

矢崎拓也 投手
「試合前に生まれたって、ロッカーが超近かったので、『生まれたわ』って言っていて。というのを知りながら、9回のマウンドに行ったんで、これ、ちょっと負けたら、これは床田が持ってないなと思って。3対2か。2点差で行って、1点取られて…」

床田寛樹 投手
「あれはけっこう危なかったよな」

矢崎拓也 投手
「危なかった」

床田寛樹 投手
「おれもベンチで『頼む。きょうだけは勝たしてくれ』って。同点になった瞬間、マウンドに行って、矢崎(加藤)をしばいたろうと思って…」

矢崎拓也 投手
「なので、その試合はけっこう印象には残っていますかね」

床田寛樹 投手
「あれ、よかったな」

ピッチング論――

矢崎拓也 投手
「どちらかと言ったら、ぼくの方がアバウトに投げていって、床田の方がわりときっちり、きっちり投げてくる。ことしの前半とか、すごく勝っているときは、やたらピンチでも間違えずに投げていたので、『それ、どういう意識なの?』って聞いたりとか。(床田は)『今までは絶対に抑えてやろう』と思っていたけど、『今は打たれても3割だから』みたいな…。『(自分を)信じて投げている』と話したことはありますけど」

7年目の成長――

床田寛樹 投手
「勝負どころで間違えなくなって、あとは別にフォアボールでもええわとか、余裕を持って投げれるようになった。それも結局、勝っとかないと、できへんやん。思わへん、そうやって? 打たれとったら、2軍行くかもってなるから。たまたま結果が出たから、そういう思考になれたみたいな。結果が出てなかったら、たぶん、そんな余裕もないやん」

矢崎拓也 投手
「確かに」

精神的にもレベルアップした2人が初めて挑むクライマックスシリーズ。床田は、その先陣を切ります。

床田寛樹 投手
「おれ、もう勝てれば別に何でもいいっていう感じ。内容とか別に…。勝てたら、ほんまになんでもいい。マツダ(スタジアム)でやるのは、やっぱりデカいな」

矢崎拓也 投手
「デカい。うん。どっちにしろ、初めてのあれ(CS)なので、投げるとなれば。どういう感情だったり緊張感だったり、わかんないので、まずは自分が楽しめたらなと。なんとかチームが勝てるように2人が貢献できるのが一番いいかなというふうに思いますけどね」

◇ ◇ ◇

青山高治キャスター
この2人の同級入団のウラ話がよかったですね。

伊東平 アナウンサー
そうですね。このとき、隣りの部屋で 西川龍馬 選手にわたし、インタビューしていたんです。終わった瞬間、西川選手が乱入して、同期3人集まるとすごいツッコミの応酬になっていました。仲がいいですね。

中根夕希 キャスター
でも、なんか苦労しながらも歩みを進めたからこその絆も感じられました。

(RCCテレビ「カーチカチ! The ゴールデン 新井カープCS直前特番」より)

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