死亡の女性に最後に接したのは元職員の容疑者 施設が会見 老人ホーム入所者殺害【長野・塩尻市】

塩尻市の老人ホーム殺人事件で、遺体から元職員の容疑者が当時服用していた薬と同じ成分が検出されていたことが分かりました。
下諏訪町の無職・望月大輔容疑者(40)は去年5月、勤務していた塩尻市の老人ホームで、入居者の前田裕子さん(当時77歳)に薬物を飲ませ、殺害した疑いが持たれています。
捜査関係者への取材で、司法解剖の結果、望月容疑者が服用していた向精神薬と同じ成分が遺体から検出されていたことが分かりました。望月容疑者は、去年3月前田さんの通帳から現金7万円を引き出して盗んだ罪などで起訴されています。
一連の裁判では、前田さんに薬物を飲ませたことを認める手紙を書いていたことが明らかになっています。

望月大輔容疑者

施設側は13日会見を開き、前田さんが生前、最後に接したのが望月容疑者とみられることを明らかにしました。

【前田さんが心肺停止で発見される前日・昼について】
■ケアハウスえんれい・土田明夫施設長
「元職員(望月容疑者)と勤務していた者が、昼食時間になっても食堂に来ない被害者の方の部屋へ呼びに行ったところ、ベッド上で寝ておられた、いびきはかいていたと聞いた。声をかけてもなかなか起きないため事務所に戻り、元職員(望月容疑者)へ伝えると、元職員(容疑者)は『俺が見てくる』と言って被害者の対応を元職員(容疑者)にお願いしたと」
「(その後)12時の(望月容疑者による)記録でございます。『本人よりおなかの調子が良くないとの話があり、嘔吐はしていないが下痢が続いているとのことー』『昼・夕食は欠食にしたいとのことです』という記録がございました」

その日の朝食については…

【前田さんが心肺停止で発見される前日・朝について】

■ケアハウスえんれい・土田明夫施設長
「28日朝の時点では(前田さんは)食堂に来ている。特段体調が悪かったということはなかったのではないか。28日当日は容疑者が朝7時半~夕方4時半までの勤務を担当。朝食時の見守りなどを対応。28日のその時間は容疑者が1人で勤務していた。朝食時も50人の利用者がいらっしゃるので、その中でやるというのはとても想像できない」

では、望月容疑者は前田さんにいつ向精神薬を飲ませた可能性があるのでしょうか。

■ケアハウスえんれい・土田明夫施設長
「その日は昼食は、記録を信じれば食べていらっしゃらないことになるので、そういったものがいつか、ちょっと想像もつかない」

また、施設は、望月容疑者が当時、向精神薬を服用していたことは知らなかったと説明しました。

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