「さらなる安全確保誓うために」観光バス横転29人死傷事故1年 元運転手らが現場で花を手向ける=静岡・小山町

富士山5合目からの下り坂で観光バスが横転し29人が死傷した事故から2023年10月13日で1年です。

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現場では事故を起こした元運転手らが花を手向け、安全の確保に努めると犠牲者に誓いを立てていました。

静岡県小山町の富士山須走口5合目につづく「ふじあざみライン」のバス横転事故の現場では、黒いスーツ姿の男性たちが手を合わせ花を供えていました。

事故を起こした元運転手やバスを運行していた「美杉観光バス」の吉田典弘社長たちです。

<美杉観光バス 吉田典弘社長>
「1年経ちまして、さらに気を引き締めてこのような惨事を起こしたことを忘れずに、今後さらなる安全の確保に努める努力をいたしますということをお誓い申し上げにきょう、来たところでございます」

2022年10月13日、ふじあざみラインで観光バスが横転。乗客の女性1人が死亡し、28人が重軽傷を負いました。

事故を起こした元運転手は、過失運転致死傷の罪で禁錮2年6か月の実刑判決を受け、控訴はせず判決が確定しています。

今回の事故では、当時の運転手が坂を下る際にフットブレーキを多用したことで、ブレーキが利かなくなる「フェード現象」が生じた事が原因とされています。

「ここは急な坂なので、エンジンブレーキを使っていただいて安全に帰っていただければ」

13日午前、警察はバスが出発した富士山須走口5合目でチラシや啓発品を配り、坂道でのエンジンブレーキの使用などを呼びかけました。

<御殿場警察署 中西浩署長>
「(急な坂などでは)エンジンブレーキを活用して安全に運転していただきたい」

事故後、道路を管理する静岡県は、エンジンブレーキを使って充分に減速するようにドライバーに呼びかける看板や道路標識を設置しました。

こうし長い下りの道は「ふじあざみライン」の他にも各地にあり、悲惨な事故を起こさないためには一人一人が心掛ける必要があります。

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