【秋華賞/追い切り診断】リバティアイランドを上回る「S」の最高評価 「ローズSを見送った効果は絶大」

■コナコースト

【中間調整】桜花賞ではイン前有利の馬場を利して押し切りを図り、リバティアイランドの猛襲に屈したものの3/4馬身差の2着に踏みとどまる健闘を見せた。しかしオークスでは春4戦目という疲れがあったようだし、出遅れてしまい本来の先行策でない競馬も強いられた。1秒9差7着に終わるも、悲観するような内容ではなかったはずだ。その後は放牧で英気を養い、ローズSから復帰という可能性もあったようだが回復と成長を優先。秋華賞への直行が9月上旬にオーナーサイドであるサンデーレーシングから発表されている。

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9月13日に放牧先から帰厩し、さっそく15日に鮫島駿騎手を背に坂路2F25秒1(馬なり)と速いところをやれたあたり、牧場での仕上げもある程度進んでいたと見ていいだろう。以降坂路とCWを併用し順調に気配を上げている。鮫島駿騎手が騎乗した1週前のCW追いでは終始前向きな雰囲気で進み、それでいてラストまでしっかり脚を残して猛然と伸びた。6F77秒1(一杯)はこの日の一番時計。

【最終追い切り】レース当週は坂路単走の追い切りを行った。先週までで負荷は十分に掛かっており、今週は馬なりで十分。それでも抑え切れないほどの前進気勢から、躍動感たっぷりに登坂。もちろん脚はしっかり残っており、素軽く加速して駆け抜けた。単走とは思えない気迫にも好感。

【見解】春は健闘したとはいえ桜花賞が3戦目、オークスが4戦目で疲れがある程度あったようだ。そこから休養を挟み、ローズSも見送った効果は絶大。すこぶる好状態にあるのは2週連続で6F80秒台を切ってきた猛稽古ぶりから明らかだ。最終追いも坂路自己ベストを楽に更新。躍動感あふれる動きから、ラストは気合十分に切れていた。文句なしの絶好調。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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