教団被害者に向き合ってと元2世 信者差別の広がりも懸念

国会内で開かれた旧統一教会に関するヒアリングで発言する被害者の橋田達夫さん(右端)=13日午後

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令が13日、文化庁によって請求された。元2世からは「被害に向き合い責任を取ってほしい」と教団に反省を求める意見が聞かれた一方「差別が広がるのではないか」と信者を気遣う声も。現役2世は「あまりにも酷だ」と涙ぐんだ。

 信者だった母親が借金をして献金し、返済を肩代わりしてきたという40代の井田雫さん=仮名=は「やっとだがここからがスタート。まずは一区切り」と話した。盛山正仁文部科学相が12日の記者会見で「親族に与えた損害も相当甚大」と指摘したことは「そこまで言ってくれると思っていなかった」という。

 だが教団が12日に公表した声明に被害者への謝罪はなかった。教団側はこれまで被害者の発言は信用できないなどとして記者会見の中止要求をするなどしてきた。井田さんは「そんな中で文化庁が証言を集めてくれた。教団は組織として責任を取ってほしい」と願う。

 元2世信者で東京都内の20代男性は、解散請求が出たことで、信者に対する差別が広がらないか心配している。

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