細田氏セクハラ否定「申告ない」 単なるうわさ話と一蹴

記者会見で辞任を表明した細田博之衆院議長=13日午後、衆院議長公邸

 細田博之衆院議長は13日の記者会見で、女性記者へのセクハラ疑惑報道を巡り、被害者から申告がないなら被害はないとの発言を繰り返した。これを理由に「単なるうわさ話だ」とも主張した。セクハラは被害者が不利益を受ける可能性を懸念して申告しにくい面があり、こうした性質を軽視した発言と言える。

 岸田文雄首相は記者団に見解を問われ、一般論と前置きした上で「名乗り出る人がいなければセクハラでないという考えは適切ではないと思う」と述べた。

 細田氏は、疑惑を巡りこれまで公の場での説明を避けてきた。会見で理由を問われると「どうして私がセクハラ議長などと言われなければならないのか。心当たりがない」と語気を強めた。ジャニーズ性加害問題の被害者の多さを念頭に置き「政党職員も新聞社も誰一人セクハラされたと主張していない。誰が被害者なのか」と述べた。

 被害申告しづらい面があるとの指摘に対しては「セクハラだと述べ立てるのは、男性に対するハラスメントじゃないか」と反論した。

© 一般社団法人共同通信社