農業被害30年で568兆円 災害影響、国連機関が推計

豪雨により水没した農場=2021年、オーストラリア・ポートマッコリー近郊(スー・マッギンさん提供・共同)

 【ローマ共同】国連食糧農業機関は13日、災害により過去30年間で約3兆8千億ドル(約568兆円)相当の農産物や家畜への被害があったとする報告書を公表した。国連機関によるこうした推計は初めてという。気候変動などの影響で災害の頻度が増加しているとし、国際社会に対応を求めた。

 1991年から2021年までの間の災害による損失は平均約1230億ドルで、世界の農業総生産の5%に当たる。低所得国の方が影響が大きいとも指摘した。

 災害の件数は1970年代に年間100だったが、過去20年間では400に上った。災害を引き起こす根本的な要因として、気候変動や感染症の世界的大流行、紛争などを挙げた。

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