こんにちは!キャンプ系YouTuberのFUKUです。今回は、ワークマンの新たなシュラフ『ハイエストダウンシュラフ』を、他社の近いスペックのシュラフと比較しながらご紹介していきます。
ワークマンのシュラフのおさらいとハイエストダウンシュラフの開発経緯
今回届いたのは『ハイウエストダウンシュラフ1290』と『ハイウエストダウンシュラフ690』です。1290は税込み29,800円、690でも税込み19,800円します。
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ぶっちゃけ高いですよね…開発担当者の方の話を聞くまでは「どうしちゃったんだワークマン!」と思いました。
ハイエストダウンシュラフの話をする前に、ワークマンの歴代シュラフをおさらいしておきましょう!
初代の『フュージョンダウンシュラフ』はコンパクトで暖かいのに、7,800円のお手頃プライスで買いやすいというコンセプトでした。
ダウンとフェザーの天然素材が50%を占めていましたが、諸々の事情により中綿の割合が変更。保温性は若干落ちてしまいました。
そこで新たに生まれたのが『エクストリームダウンシュラフ』です。
フュージョンダウンシュラフより値段は上がりましたが、ダウンの配合比率が高まって保温性も改善。
ファスナーの開け閉めのしやすさも改良され、ダウンシュラフ業界全体で見ると中価格帯の下くらいの値段で、良い製品だなと思っていました。
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そんな中、エクストリームダウンシュラフを冬に試す前に、今回の『ハイエストダウンシュラフ』が届いたというわけです…!
エクストリームダウンシュラフは、値段は中価格帯の下くらいで、品質や保温性は中の上くらいを狙っていたと思います。
そのため、トップメーカーのハイエンドモデルに並ぶスペックではなく、今回のハイエストダウンシュラフはハイエンドモデルの領域に踏み込もうとしていますよね。
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ハイエンドモデルを求める人たちはトップメーカーのシュラフで満足できるからそれで良くて、私としてはお手頃価格だけど満足できるというコンセプトが好きですが…!
初代フュージョンダウンシュラフはまさしくそうでしたし、エクストリームダウンシュラフも価格は上がりましたが、そのコンセプトは受け継いでいると思っていました。
ただ、本気で作ったらどれくらいのモノができるのかという興味は湧いてきましたし、ワークマンの製品の中では高いと言っても、トップメーカーの冬用シュラフと比べると安いですよね。
ただ品質が追いついているのかというところが、ハイエストダウンシュラフの気になるところです。
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ワークマンの今年の主力シュラフはエクストリームダウンなので、ハイエストダウンシュラフは来季に向けたテストのような位置づけで、評判が悪ければ消える可能性もあると思います。
ただ、テストで少量であってもちゃんと作ってみるというのが、新しいものへの挑戦という意味では面白いかもしれませんね!
ハイエストダウンのスペックを細かくチェック!
ここからは、ハイエストダウンシュラフのスペックを見ながら、値段に対してどれくらいの価値がありそうなのかを紐解いていきたいと思います。
保温性や素材をチェック!
まず、生地は表裏ともナイロンです。中綿はダウン90%、フェザー10%で、ダウンと化学繊維を混ぜたフュージョンダウンから純粋なダウンシュラフに変わりました。
ダウンは保温性の高さは魅力ですが、濡れると保温性が失われるほか、乾きにくいのでメンテナンスに気を使う素材です。
化学繊維は蒸れに強くて乾きやすく、ダウンに比べて値段が安い点がメリット。保温性はダウンには劣りますが、量を増やせば同じ暖かさにできます。
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フュージョンダウンやエクストリームダウンには化学繊維を混ぜています。そのため値段は安く、ダウンよりは乾きやすく、化学繊維よりは温かく、それぞれの素材の良いとこ取りをした商品です!
ハイエストダウンは天然素材100%なので、価格が上がり、ちょっとデリケートな製品に。一方で保温性が飛躍的に向上しているので、尖った方向に進化したと言って良さそうです。
ハイエストダウンシュラフの保温性能は、1290は快適使用温度が-8℃、使用可能温度が-15℃、限界使用温度が- 36℃です。
690は快適温度が-2℃、使用可能温度が-9℃、限界使用温度が-21℃となっています。
フュージョンダウンの配合比率が変わったあとに出た1200gは、快適使用温度が氷点下に達しませんでした。それに比べるとハイエストダウンシュラフは690gで快適使用温度が-2℃なので、保温性能が相当上がっているのがわかります。
使われているのはグレーダックダウンという、一般的なダウンシュラフによく使われている比較的良質なダウンだそうです。
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生地にもこだわっていて、20デニールの薄いナイロンリップを採用。生地が薄いと軽くてコンパクトになるだけではなくて、ダウンの暖かさが直に伝わってくる感じになります!
さらに、シュラフ自体に水をはじく撥水加工が施されています。ただのテフロンではなく、環境負荷が低い『テフロンエコエリート』だそうです。
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ちなみにフィルパワー表示は検査を受けてから表記しないといけないそうで、現時点では記載されていません!
シュラフの構造もチェック!
収納袋から出して、作りも見ていきましょう!フードはダウンがたっぷり入っているだけでなく、フードを絞ったときでも顔周辺にダウンが残るようチューブが搭載されています。
ファスナーはYKKの止水タイプを採用。
ファスナーの開き方はスムーズ。閉めるときは、勢い良く閉めると噛みますが比較的スムーズです。
ファスナーの内側には、ダウンがパンパンに入ったドラフトチューブを搭載。首にもチューブが取り付けられています。
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ハイエストダウンシュラフ690はなかなか良いかもと思っています。まあまあ軽くてコンパクトですし、-2℃の快適温度なら3シーズンは余裕です。
平地の温暖な地域だったら冬キャンプにも使えそうで、お値段は2万円以下。ワークマンのシュラフの中では高額ですが、ダウンシュラフ業界全体で見てみるとなかなか良い位置にいる商品かなと思いました。
続いて1290も見てみましょう!
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これはヤバい…チューブにもパンパンにダウンが入っていて、高級ダウンジャケットの膨らみ方です…!
基本的に690と1290の作りは同じで、顔周りと首の前後、そしてファスナーに沿ってチューブを搭載。ボックス加工で表面には撥水加工がされているので、少し水がかかったぐらいなら弾いてくれると思います。
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結露をしっかりと防ぐような能力はないと思うので、コンパクトなイナレムのシュラフカバーが欲しいなぁ…。
他のメーカーのシュラフとスペック比較!
ここからは、他のメーカーとスペックや価格などを比較。快適使用温度や収納時サイズなどを見ていきましょう!
トップメーカーのシュラフとの比較
まずは、ハイエストダウン690 をトップメーカーのシュラフと比べてみます。比べるのはナンガ『オーロラライト600DX』、ナンガ『オーロラテックス600DX』、モンベル『ダウンハガー650 #1』です。
価格はハイエストダウンシュラフの19,800円に対して、オーロラライトが58,300円、オーロラテックスが40,800円、ダウンハガー650 #1が37,400円でした。
製品重量は、ハイエストダウンシュラフ690が1200g、オーロラライトが1100g、オーロラテックスが1250g、ダウンハガー650 #1が1190g。快適使用温度は-2℃・-4℃・-6℃・-5℃でした。
価格はまちまちですが、モンベルが比較的安価で3万7400円です。
ハイウエストダウン690は19,800円なので、トップメーカーの同じようなスペックのモデルと比べれば5割前後は安いです。ただ、快適使用温度は-2℃なのであと一歩性能が届いていません。
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スペックはあと一歩のところまで迫っていて、値段は5割前後安い…ハイエストダウンシュラフもそんなに悪くないかなと思えてきました!
次はハイエストダウンシュラフ1290も比べてみましょう!
比べたのは、ナンガ『オーロラライト1000DX』、ナンガ『オーロラ1000DX』、モンベル『シームレスダウンハガー800XP.ロング』です。
価格はハイエストダウンシュラフ1290の29,800円に対して、オーロラライト1000DXが69,800円、オーロラ1000DXが57,000円、シームレスダウンハガー800XP.ロングが79,750円でした。
製品重量は、ハイエストダウンシュラフ1290が1800g、オーロラライト1000DXが1650g、オーロラ1000DXが1550g、シームレスダウンハガー800XP.ロングが1526g。快適使用温度は-8℃・-11℃・-11℃・-12℃でした。
FUKU所有のシュラフと重さやサイズを比較
ここからは手持ちのシュラフと、重さやサイズ感を比べていきます。
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ハイエストダウンシュラフ690と比べたのは、ナンガ『600スタンダード』とイージスマックス『サミット2』の2つ。
1290と比べたのはワークマン『エクストリームダウンシュラフ1290』です!
まず、ハイエストダウンシュラフ690の1200gに対し、600スタンダードは1350g、サミット2は1360gです。
サイズはハイエストダウンシュラフ690が高さ38cm×横21cm、スタンダードが高さ36×18cm、サミット2が高さ35×20cmでした。
ハイエストダウンシュラフ1290は、重さ1800g、高さは41cmで横が26cmほど。エクストリームダウン1290は重さ1940gでした。サイズは潰して保管していたので完全に戻っていなませんが、ケースのサイズ感は同じぐらいです。
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中身を出して膨らみ具合もチェックしていきましょう!
ハイウエストダウン690は生地が薄くしなやかになりました。ダウンの柔らかさが感じられて、中に手を入れるとじわーっと温かい感覚が伝わってきます。
イージスマックスは800フィルパワーのグースダウンが使われています。そのためか、イージスマックスの方がより膨らんで軽い感じがしますね。
ナンガの600スタンダードと比べてみると、ワークマンはそう遠くない膨らみ方に感じます。
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中身を紐解いていくとハイエストダウンシュラフの方向性が見ました。
届いたときは高いなと思いましたが、フュージョンダウンのような基本モデルが揃った上で、機能を追い求めたハイエンドモデルが加わるのは良いかもしれないですね。
ワークマン『ハイエストダウンシュラフ』に入ってみた!
シュラフの中に入ってみますが、夏の暑い時期で保温性能は検証できないので、入ったときの感覚や窮屈さなどを見ていきます。
まずはハイウエストダウン690です。
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めちゃくちゃ暑いですが、そんなに窮屈ではありません!ちなみに私は身長175cm、体重73kgです。長さも余裕がありました!
次は1290です。
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入ってすぐサウナ状態です(笑)夏に入るとどちらも暑いですが、1290の方がふかふかした感じはありますね!
現行のエクストリームダウン1290も入りましたが、生地の厚さを感じました。あとは、ハイエストダウンの方がファスナーの噛み込みが増えたような気もします。もしかしたらまだ改善の余地があるかもしれませんね。
ワークマンのハイスペック寝袋『ハイエストダウンシュラフ』にも要注目!
いかがだったでしょうか。ワークマンの実験的なシュラフ、ハイエストダウンシリーズが想像以上にグレードアップしていました。
というわけで今回も皆様のキャンプ道具選びの何かの参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。