CSへ 広島カープ 反骨の4番「ふざけんじゃねえ」堂林翔太 プロ14年目のプリンス【クライマックスシリーズ】

クライマックスシリーズ(CS)の打順が気になる男のインタビューです。

「4番・ファースト・堂林」――。9月12日、そのときは来た。14年目、32歳の 堂林翔太 が、初めて広島カープの4番に座った。

実況(9月13日)第10号ホームラン
「緩いカーブを打ちました。大きな当たりだ。レフトに打球は伸びて、カープの4番の反撃の号砲!」

実況(9月14日)第11号ホームラン
「二夜連続の一打になるのか。大きな当たりだ、堂林。鮮やかに染まった神宮のスタンドへ!」

遅咲きのプリンスは、今シーズン、し烈を極めた2位争いで確実にチームを救った。

広島カープ 堂林翔太 選手
「(新井監督から)言われてはいないんですけど、白板に書いてあるのを見て、しっかりやらないといけないなっていうのは思いました。(4番は)特に責任感が生まれてくる打席というか、打順でもあるので、1打席1打席っていうのは今まで以上にプレッシャーのある中でやれた貴重な経験だったかなと思います」

穴埋めではなく、しっかり4番をつかみ取った堂林。終盤の活躍には、“ある変化” があった。

堂林翔太 選手
「前半戦は映像を見ても “振る球” っていうのは間違っていなかったんですけど、なかなかファウルになって自分に苦しい状況っていうのがずっと続いたので、なんとか甘い球を前に飛ばしたいっていうので、“地面に打ち込む” じゃないですけど、もうそのぐらい “上からつぶしてやろう” っていう気持ちでやった結果、ちょっとずつ成績も出てきたので」

下に打ちつけたはずのボールが大きな弧を描いてスタンドへ消えていく―。3年ぶりの2けたホームランは、理想の打撃をようやくつかみ始めた証だ。(※ 手応えをつかんだ試合は8月11日、中日・勝野からのホームラン)

遅咲きでもいい。ファンは、この姿を待っていた。これまで期待されながらも決して順風満帆ではなかったプロ野球生活。そんな堂林の “転機” を作った人がいる。

堂林翔太 選手
「新井さんがどのタイミングでそういうことを感じたかわからないですけど、『このままじゃ、終わるぞ』っていうことを言われて、そこからそれをきっかけに護摩行も行かせていただきましたし」

「本当、今となっては、2回断られたので押し切って行かせていただいてよかったなと思いました」

危機感やモヤモヤを吹き飛ばすように打ち込んだ護摩行。人気先行などとやゆされたこともあった堂林は、新井の姿を間近に見て確実に変わっていった。

今シーズン、他球団などから「カープは右打者が弱い」と指摘されたときには、強い言葉を使って負けん気を露わにするようになった。

堂林翔太 選手
「さすがに『ふざけんじゃねえ!』と思いましたけどね。末包(昇大)、デビッドソンもよく打った時期だったと思いますし」

14日に始まるクライマックスシリーズでもDeNAの主力投手は左ばかり。右打者の堂林が勝敗のカギを握るが、その答えはなんとも頼もしかった。

堂林翔太 選手
「右バッターというのは、キーに挙げられると思うので、なんとかして打ちます」

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
なんとかして打ってもらいましょう。

石田充 アナウンサー
数字的にも東投手から.313、今永投手から5割の打率を出していますからCSでも期待したいと思います。

(RCCテレビ「カーチカチ! The ゴールデン 新井カープCS直前特番」より)

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