悲惨な事故防止へ対策 NEXCO東、田麦俣トンネル工事進む

「薄層舗装」などの安全対策工事が行われている山形自動車道田麦俣トンネル=鶴岡市

 山形自動車道の田麦俣トンネル(1921メートル)で5人が死傷した交通事故を受け、東日本高速道路(NEXCO東日本)が安全対策工事を進めている。トンネル内の車線はみ出しなどに対する大まかな予防策を20日までに講じる予定。

 車線逸脱防止とスピード抑制を目的とした工事は4日に始まった。車線中央部の走行を促す「導流レーンマーク」、車線上の凹凸による振動で危険を知らせる「凹凸型路面標示」を既に施した。現在はぼんやり運転などを防ぐため、振動を与える「薄層舗装」の作業を行っている。

 トンネル内へのワイヤロープ式の車線区分柵の設置は、全国で短い区間での試行段階のため、今回は見送り、20メートル間隔で幅広のラバーポールを設置する。路面補修などと合わせた工事で、湯殿山インターチェンジ(IC)―庄内あさひIC間は11月17日まで、庄内あさひIC―鶴岡IC間は同6日まで、夜間通行止めとなっている。

 同社鶴岡管理事務所の小沢隆二工務担当課長は「悲惨な事故を防ぐため、考え得る対策をすべて講じていきたい」と話した。今年5月2日に発生した事故では対向車線へのはみ出しによって乗用車同士が正面衝突し、1歳児を含む3人が亡くなった。

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