秋の大祭に終わり告げる 長崎・諏訪神社で直会神事 「松浦佐用姫の舞」奉納

長崎くんちの直会神事で奉納された能「松浦佐用姫」=長崎市、諏訪神社

 4年ぶりに開かれた諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」の終わりを告げる直会(なおらい)神事が13日、長崎市上西山町の同神社であった。観世流能楽師、森本哲郎さん(58)=福岡市=が能「松浦佐用姫(まつらさよひめ)」を奉納した。
 「長崎くんち」は、2人の遊女が同神社の祭礼に謡曲(能の声楽部分)「小舞(こめい)」を奉納したことが起源とされる。1679(延宝7)年には境内に能舞台が設けられ、くんちで気が荒ぶった神を鎮めるため神事能が舞われてきた。能舞台は1857(安政4)年の大火で焼失。神事能は2014年、157年ぶりに同神社で復活した。
 同日、同神社拝殿であった神事で、年番町や神輿守町(みこしもりちょう)、踊町の役員ら約80人が大祭の終了を神前に報告した。
 披露された能「松浦佐用姫」は、肥前国松浦潟鏡山(現在の佐賀県唐津市)を舞台に、唐に渡る夫を見送った後、形見の鏡を抱いて身を投げた佐用姫の純愛の物語。佐用姫の霊を演じた森本さんは「久しぶりの奉納で厳かな気持ち。くんちも大盛況と聞き、気合を入れて舞った」と語った。

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