那須雪崩事故刑事裁判 登山の専門家「雪崩が発生する判断をするのは難しい」

那須町で登山講習中だった、大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている講習会の責任者だった教諭3人の刑事裁判が、10月13日に宇都宮地方裁判所で開かれ、証人尋問で登山の専門家が、これまでの経験から「雪崩が発生する判断をするのは難しい」と述べました。

業務上過失致死傷の罪に問われているのは、当時の講習会の責任者の猪瀬修一被告(57)と、8人が亡くなった大田原高校の班を引率していた菅又久雄被告(54)、それに後続の班を引率していた渡辺浩典被告(60)の3人の教諭です。
裁判では雪崩を予見できたかなどが争われています。

13日に行われた弁護側の証人尋問では、雪崩事故の検証委員会の委員を務めていた登山専門家の、名古屋工業大学 北村憲彦教授が証言台に立ちました。

北村教授は「雪崩の予見ができたか」について、これまでの経験から「積もった雪の上から踏み込んだ時に雪の層が、ずれる感覚があった場合、危険を感じる」と話した一方で、「ずれる感覚がなかった場合、雪崩が発生するかどうかを判断することは難しい」と述べました。次回の公判は10月25日に開かれます。

© 株式会社とちぎテレビ