栃木県と栃木労働局、県内経済5団体は13日、男性の育児休業取得促進に向けた共同宣言を出した。行政と経済界が一体となり、育休が取りやすい職場環境の整備に取り組み、男女ともに仕事と家庭生活を両立できるよう支援する。
経済5団体は県経営者協会、県商工会議所連合会、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、県経済同友会。同日、県庁で行われた署名式では福田富一(ふくだとみかず)知事が「県が率先垂範して、来年度から県庁の取得率を100%にする」と目標を示した。
共同宣言は、県が8月に策定した「とちぎ少子化対策緊急プロジェクト」の一環。女性が結婚相手に求める条件として「育児・家事能力」の割合が高まっていることも踏まえた。深刻化する少子化の食い止めにもつなげたい考えだ。
職場環境整備の推進をはじめ、機運醸成や、仕事と家庭の両立支援を通じた県内企業の魅力向上を図る。職場での業務分担見直しや代替要員の確保により育休を取りやすくし、テレワークなど柔軟な働き方を推進する。
県の労働環境等調査によると、2021年の県内事業所の育休取得率は女性96.8%に対し、男性28.7%と大きな開きがある。県庁の22年度の男性の取得率は40.6%。
経済団体からは「人的資源が限られる中小企業にとってハードルが高いのも事実」として必要な支援の拡充を求める声も上がった。
県経済同友会の松下正直(まつしたまさなお)筆頭代表理事は「男性の育児参加の増加は正規雇用人口拡大にもつながる」と述べ、福田知事は「オールとちぎ体制で促進していく」と話した。