国体トラック競技で聴覚障害者初出場 デフ「金」佐々木(青森代表)、成年男子100メートルに

【成年男子100メートル予選】聴覚障害者として初めて、国体のトラック競技に出場した佐々木

 特別国民体育大会「燃ゆる感動 かごしま国体」は第7日の13日、鹿児島市の白波スタジアムで陸上競技を行い、2022年にブラジルで行われた聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」男子100メートルの金メダリスト佐々木(青森県五戸町出身、仙台大TC)が、青森県代表として成年男子100メートルに出場。日本デフ陸上競技協会によると、国体で聴覚障害者がトラック競技に出場したのは初めて。予選通過はならなかったが「たくさんの人に聴覚障害を知ってもらえた」と笑顔だった。

 ピストルの音が聞こえないハンディをなくすため、光で知らせるスタートランプを足元に置いた。赤が「位置について」、黄で「用意」、スタートは緑に光る。審判員のピストルとつながれ、ほかの選手と同じタイミングで走り出すことができる。

 レース前には会場の大型モニターで装置の説明が行われ、佐々木は選手紹介でカメラに向かって「青森」の手話を披露した。

 スタートはほかの選手に引けを取らない反応を見せたものの、30~40メートル付近で失速、10秒78で8人中7位だった。「楽しかったが悔しさもある」と話し、今後の活躍を誓った。

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