生理 気軽に話してみない? 後楽館高生が企画 岡山で意見交換

経験のない人も含めて生理について話し合った催し

 パートナーがイライラしているから「生理なの?」って聞いたらキレられた…。これを読んでハッとした人もいるのでは? 「意外と知らない生理」をテーマに、経験のない人も含め気軽に意見交換してもらう催しが8月下旬、岡山市内で開かれた。企画したのは現役の高校生3人。どんな内容なのか気になり、のぞいてみた。

 3人は後楽館高(同市)3年の沢田まりあさん(18)、山領珊南(さんな)さん(18)、山形萌花さん(18)。県内の学校トイレに生理用品が常備されるのを目指し、クラウドファンディングや経済的理由で生理用品が買えない「生理の貧困」を考える市民向けワークショップを実施してきた。

 活動を通じ「実感できない人も理解できるようなイベントをやってほしい」との声を受け今回の催しを企画。当日は約30人が集まり、3分の1が生理経験がない男性らだった。

 3人は古くなった子宮内膜が剥がれる仕組みや、食欲が増したり気持ちが沈んだりする生理前後の心身の変化についてスライドを見せながら説明。「小6の運動会の時に初めての生理が来た」「生理前は気持ちが落ち込んで自分が惨めな人間に思える」「ナプキンを忘れた時の絶望感はすごい」などと体験談も紹介した。

 意見交換では「生理について話しにくい現状がある。どうしたら変えられると思いますか」「生理の時どんな風に対応してほしいですか」などと投げかけた。参加者からは「命を産むための準備だというポジティブな印象がもっと広まればいい」「学校で男女一緒に話を聞く場を設けてほしい」などとオープンに話し合いやすくなるための意見が出た。

 「体調が悪い時、パートナーには『生理なの?』じゃなくて『どうしたの?』って聞いてほしい」といった要望や「もっと話しやすくなれば職場でも生理休暇が取りやすくなりそう」といった期待の声も上がった。

 津山市の男性会社員(22)は「ここまで踏み込んで話し合うのは初めてで、生理のある人がどんな気持ちになるのか気付けた。こういうイベントを続けていってほしい」と話した。

 ◇

 2022年11月から活動を続ける3人。自分たちの経験を自然に話す姿が印象的だった。取り組みへの思いを聞いた。

 ―生理について話すことに恥ずかしさはなかった?

 山形さん 家族に女性は3人いるけど、今まで家でもオープンに話すことはほとんどなかった。だから最初の頃は話すのに違和感があって。でもいろいろ勉強していくうちに話した方がいいことあるよな、って思えるようになったかな。

 ―みんなが自分の体験談を踏まえながら話していて、共感しやすい場になっているなと思ったよ。

 山領さん いつもは「生理の貧困」をテーマに話すことが多く、今回みたいな内容は初めて。興味を持って参加してくれている人たちばかりだったから雰囲気が温かくてすごく話しやすかった。

 沢田さん ズームで話す時もあるけど、やっぱり顔を見て意見交換した方が思いが伝わるよね。

 ―目標としてきた県内高校へのナプキン配布がいよいよ始まったね。今後の抱負は。

 山領さん 学校に足を運んで、先生たちや同世代の生徒にも思いを伝えられたらいいな。

 山形さん 生理を気軽に話せる環境が全世界に広がってほしい。

 沢田さん 「生理革命委員会」というストレートな名前で活動している。少しずつでも変革を起こし、私たちの考えが浸透していったらうれしい。

© 株式会社山陽新聞社