日銀、国債購入1千兆円に 大規模緩和から10年の累計

 日銀が大規模な金融緩和策で市場から購入した国債の累計額が1千兆円に達したことが14日、分かった。黒田東彦前総裁の就任直後の2013年4月に大規模緩和を導入してから約10年で、日銀が市場に出回る国債の半分を持つ異常な状態となっている。景気を下支えするために大量の国債を購入し、金利を無理に下げたため、本来は市場で決まる金利をゆがめる副作用も生じた。「日銀が政府の財布となっている」との批判もある。

 日銀は物価と賃金が安定的に上昇する好循環の実現を目指し、大規模緩和を続けている。緩和の規模が異例の大きさになり、金融政策を本来の姿に戻すのは容易でない。

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