muta GR86堤優威が初ポール獲得。コースレコード更新で予選日を完全制圧【第7戦GT300予選レポート】

 10月14日、大分県のオートポリスで2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の公式予選が行われ、GT300クラスは2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)がコースレコードを更新する力走を見せポールポジションを獲得した。

 シーズンの天王山となる九州決戦を迎えた2023年のスーパーGT。オートポリスを舞台に行われる同コース初の450kmレースは、決勝後半で出てくるタイヤカスにより追い抜きが難しくなることが予想されるため、今回決まる予選順位が重要になると目される。

 14日から走行は開始となり、午前中の公式練習は雨上がりのダンプ路面から徐々に乾いていくコンディションとなった。赤旗2回を含む難コンディションのセッションでは2号車muta Racing GR86 GTがトップタイムを記録していた。

■Q1A組:muta GR86平良響が0.7秒差のトップタイム

 13台で争われるQ1A組はスケジュールどおりの午後15時から気温18度、路面温度25度、湿度71%というコンディションでスタート。10分間のセッションでタイヤの温めからアタックを完遂するため、各マシンがシグナルグリーンとともにコースに出ていく。

 今回の予選も残り2分半を切ってからタイムアタック合戦の火蓋が切られた。まずアタックに入ったのは65号車LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥で、1分43秒619のターゲットタイムを記録する。その直後、同じブリヂストンを履く2号車muta Racing GR86 GTの平良響が1分42秒600で蒲生のタイムを塗り替えてトップに躍り出た。

 さらに、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰が1分43秒327で2番手に続き、ブリヂストンタイヤ装着勢がトップ3を独占する。その後方4番手にはイゴール・オオムラ・フラガがステアリングを握るANEST IWATA Racing RC F GT3が続いている。

 ここでQ1A組はセッション終了を告げるチェッカーフラッグが振られた。Q2進出を懸けたカットライン組も、最終アタックを行うがタイムを伸ばすことは叶わず、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、6号車DOBOT Audi R8 LMS、9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG、360号車RUNUP RIVAUX GT-R、22号車アールキューズ AMG GT3がQ1敗退となった。

2023スーパーGT第7戦オートポリス muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)

■Q1B組:スバルBRZが貫禄の首位通過

 続くQ1B組は8分間のインターバル後にセッションが開始された。このB組はA組と同じく10分間で行われるが、出走台数はA組より1台少ない12台で争われる。しかし各マシンともピットでステイはせず、早めのタイミングでコースへと向かった。

 入念にタイヤを温め、最初にアタックに入ったのは31号車apr LC500h GTの根本悠生。コントロールラインを通過した根本はまず1分43秒192の好タイムを記録してトップに立つも、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人が1分42秒694で逆転。

 さらに各マシンのアタック合戦はヒートアップし、現在ポイントランキング2位の18号車UPGARAGE NSX GT3の小出峻が1分43秒437で3番手、そして“初オートポリス”のブルーノ・スペングラーが駆る7号車Studie BMW M4が4番手に飛び込んだ。

 ここでセッション終了となり、最終的に30号車apr GR86 GT、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号、48号車植毛ケーズフロンティア GT-Rの4台がノックアウトとなった。

2023スーパーGT第7戦オートポリス 井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)

■Q2:堤が乗り込むmuta GR86がレコードブレイクでポール獲得

 Q1を突破した16台によって争われるQ2は、GT500のQ1終了後の15時53分から始まった。このポールポジションを賭けたセッションも10分間で行われ、各マシンとも早めのコースインを行い慎重にタイヤを温めていく。

 このQ2でも早めのアタックを開始したのは61号車となり、井口からステアリングを引き継いだ山内英輝が1分42秒141を一発アタックで決めてくる。続く31号車の小高一斗は1分42秒342を記録するも2番手、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也も1分43秒466で3番手と61号車の後塵を拝する。

 Q2終了を告げるチェッカーフラッグが振られ、誰もが61号車山内のポールポジション獲得かと思われたが、公式練習から好調の2号車堤優威がセクター2〜3で全体ベストを記録しながら最終アタックを敢行。

 コントロールラインに戻ってきた堤は1分42秒016を叩き出し、コースレコードを更新すると同時に自身初のポールポジション獲得を決めた。61号車は0.125秒差の2番手となり、31号車が3番手というトップ3に。さらにランキングトップの52号車が4番手に入ったことでブリヂストン勢が速さを見せた予選となった。

 以下、5番手には4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、6番手には88号車JLOC ランボルギーニ GT3、7番手にはLEON PYRAMID AMG、8番手には20号車シェイドレーシング GR86 GTという上位となっている。

2023スーパーGT第7戦オートポリス ポールポジション獲得を喜ぶ堤優威と平良響(muta Racing GR86 GT)
2023スーパーGT第7戦オートポリス GT300クラスのポールポジションを獲得した堤優威/平良響/加藤寛規(muta Racing GR86 GT)

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