幸せの鳳凰、湯の街に 片山津・愛染寺にオブジェ

境内に設置する鳳凰のオブジェの原画を確認する竹内住職(右)と作者の天間舘さん=加賀市片山津温泉の愛染寺

  ●年内に完成 新幹線延伸盛り上げ

 来年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸に向け、加賀市片山津温泉の守護寺・真言宗愛染寺(あいぜんじ)は、伝説の鳥「鳳凰(ほうおう)」のオブジェを境内に設置する。竹内秀岳住職(63)が「幸せ」をテーマに、20年以上取り組む施設整備の一環となる。鳳凰は年内に完成する予定で、寺の新たな見どころとして発信し、湯の街の活性化につなげる。

 画家の天間舘(てんまだて)志保さん(37)=加賀市=に制作を依頼した鳳凰の原画が14日までに完成した。

 鳳凰の名前は「富美幸(とみこう)」で、参拝者が「富」と「美」と「幸せ」を感じられるように、鳳凰が朝日を浴びながら、柴山潟から白山に向かって飛び立つ様子を表現した。竹内住職の発案で、鳳凰は幸せを象徴するハートをくわえている。

 原画を基に、鍛鉄(たんてつ)作家の渡辺薫さん(53)=金沢市=が鉄製のオブジェを仕上げる。鳳凰は風雨に耐えられるよう、ウレタン塗装を施し、完成形は金色になる予定だ。

 愛染寺は2002年に護摩堂、09年に永代供養納骨堂「無憂(むう)」、21年にハート形の山門「猪目(いのめ)門」、22年に愛染明王のオブジェと喚鐘(かんしょう)、人気漫画の秘密道具を連想させるモニュメントなどを整備した。いずれも寺の魅力を高める事業で、鳳凰もその一環となる。

 鳳凰は高台にある寺の境内から柴山潟と白山を望む猪目門の近くに設置する計画で、竹内住職は「多くの人が寺を訪れて境内からの眺望を楽しみ、お参りをしてもらうきっかけになればいい」と話した。

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