〈富山グラウジーズ・Bリーグ〉一面「赤」プレー後押し 馬場、存在感さすが

富山グラウジーズのチームロゴの入った紙を広げ、選手にエールを送るファン=富山市総合体育館

 5151人のファンがチームカラーの赤一色にアリーナを染め上げ、大声援で選手の背中を押した。14日に富山市総合体育館で行われたバスケットボールB1・富山グラウジーズのホーム開幕戦。チームは敗れたものの、選手は気迫のこもったプレーで会場を沸かせた。日本代表としてW杯で活躍した長崎の馬場雄大選手(富山市出身)もさすがのプレーで存在感をアピールした。

  ●本社が応援グッズ5000枚用意、ファン揺らし応援

 ホーム戦のチケットが完売するのは、歴代最多観客数(5545人)を記録したリーグ開幕初年度の2016―17シーズン以来。会場の熱気に選手の気持ちも高まり、序盤から攻守でアグレッシブなプレーを見せた。ただ、後半はターンオーバーを重ねて連係が乱れ、修正できなかった。

 富山新聞社はホーム開幕に合わせ、応援グッズとしてチームロゴを記した新聞見開きサイズの赤い紙を5千枚用意。ファンは試合直前に紙を揺らして選手を鼓舞した。会社員の石坂恵理さん(29)=魚津市=は「真っ赤になった観客席は迫力があった」と声を弾ませた。

 富山は昨季と選手が大幅に入れ替わった。会社員の北森満さん(64)=富山市=は高岡大輔HCが掲げる「全員で走るバスケ」を体現しつつあるとし「チャンピオンシップに行ってもらいたい」と挽回を期した。

 長崎との開幕節2戦は馬場選手人気もあって前売りチケットが14、15日とも完売。両日は「富山県民デー」として先着100人の当日券を用意しており、14日は長い列ができた。会場にはユニホーム姿の新田八朗知事、赤ネクタイを着用した野上浩太郎参院議員も応援に駆け付けた。新田知事は試合前のあいさつで馬場選手に対し「お帰りなさい」と言い、今季の富山の飛躍を願って「ブースター(ファン)と選手と一体になって盛り上げていきましょう」と呼び掛けた。

 2026年創設の「新B1」に向け、クラブは条件の一つである「入場者数4千人」を今季の目標に掲げる。高堂孝一社長は「多くの人が来場し、感謝の気持ちでいっぱい」とホーム初戦を振り返った。

  ●馬場ブーイング浴び苦笑「不思議な感覚」

 長く海外での挑戦を続け、長崎に今季入団した馬場選手。開幕戦はコンディション調整のため欠場し、今回が復帰後初のBリーグでのプレーとなった。

 試合では粘り強い守備から攻守の切り替えの起点となり、要所で得点を重ねるなど躍動した。地元に帰ってきたが、会見ではフリースロー時などでファンから大ブーイングを受けたとし、「不思議な感覚だった」と苦笑いを浮かべた。

 一方で多くの富山のファンに声を掛けてもらったとし「最高の時間だった」と馬場選手。久々のBリーグに「探究心と向上心を持ってやる」とNBAに近づくため一層の成長を誓った。

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