犬を散歩に連れて行くときに前を歩かせたらだめ?アルファ理論の考え方だから気にしないでOK!

犬を散歩のときに前を歩かせてはいけないとされる理由

まず犬を散歩のときに前を歩かせてはいけないと言われている理由を考えてみましょう。

  • 犬が前を歩くことで主従関係が崩れる
  • 犬が行きたい方向に行くためわがままになる
  • 飼い主の横につけて歩かせないと拾い食いをする

こんな感じだと思いますが、これらはどれも問題の理由になるものではありません。

むしろこの考え方はすでに多くの研究によって否定され、またアルファ理論を唱えた権威ある研究者でさえも間違いだったと発表しているものです。

犬と人を危険から守るためにもポジティブなトレーニングをしよう

確かに危険から犬と人の双方を守るために責任を持つことは大切ですが、人の前を犬に歩かせないことと問題となる行動はなんの関係もありません。

まず主従関係についてはそんな物自体存在しないので、頭の中から完全に削除していただいて大丈夫です。

では、犬が歩きたい方向に行くというのはどうでしょう?何か困ることがあるでしょうか?

確かに公道であちこち人間を引っ張って歩くというのは大変ですし、時には歩いている人だけでなく車などの危険もあるので考える必要があります。

しかしそれがわがままとなんの関係があるのかと言われたら疑問です。

仮に好きな場所へ行きたいとする、それはわがままなのでしょうか?好きな場所へ匂いを嗅ぎに行きたいという欲求と行動はいたって正常です。

むしろ、その周囲に安全が約束されているならどんどんそうさせてあげるべきですし、それをすることで気分もリフレッシュされ最高のエンリッチメントにもなります。

また、拾い食いをするという点に関しても横につけて歩かせていようが前を歩いていようが、拾い食いする機会があればやるときはやるため前を歩かせないことが拾い食い防止にはなりません。

どちらかというとそうした犬の欲求を抑制するような方法を選択していると、犬は管理者である飼い主の目がないところで欲求を満たそうとしたり、別の問題を生み出すことにもなります。

そうしたことから、根本的な解決と予防をしたいのであれば犬と人の双方が楽しんで取り組むことができる、ポジティブなトレーニングをすることがおすすめです。

科学的で動物福祉に配慮したポジティブなトレーニング方法というのは、犬を支配したり抑制したりするものではありません。

そのため飼い主さん自身が心を鬼にして犬に厳しく接する必要もなく、犬と人の双方が楽しみながら問題と向き合うことができるのです。

犬の散歩って誰のためのもの?散歩の目的を理解しよう

そもそも散歩とは誰のためのなんのための散歩なのでしょう?

ここを忘れてしまっている飼い主さんは意外と多くいらっしゃるように感じます。

犬の散歩とは犬をただ歩かせるためのものではなく、犬に風を感じてもらったりさまざまな匂いをかいだり楽しんでもらいながら気持ちよく過ごしてもらうことが目的です。

しかし、犬を前に歩かせてはいけないし横につかせて匂いかぎをさせてはいけない散歩というのは、目的をすべて達成することのない外を歩く意味があるかもわからないものになっています。

人も目的は特にないけど季節を感じながら歩いたり、店頭に並んでいる商品を見て歩くだけでもなんだか楽しい時間になりませんか?

気になるものがあったら足を止めてこれはなんだろう?どんなふうに使うんだろう?と考えてみたりしますよね。

犬にとっての散歩はお外を歩くことでそうしたさまざまな情報を拾い確認し、心を踊らせながら楽しむ時間なのです。

決して人間が犬にただ外を歩かせるための作業ではないことを知っておきましょう。

まとめ

犬を散歩に連れて行くとき前を歩かせてはいけないという話はよく聞きますが、それは太平洋戦争時代よりもまだ前のアルファ理論というものからくる考え方です。

もちろん犬と周囲の人の安全を約束しながらにはなりますが、危険から守るためなのであればポジティブなトレーニングを選択することをおすすめします。

そして、犬の散歩は犬が楽しむためのものであり人間が犬を歩かせる作業ではないのだということを忘れてはいけません。

そのためにはどのように散歩をしたらいいのかも、ドッグトレーナーや専門家なら相談に乗ってくれますので、ぜひ頼ってみてくださいね。

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