優雅に舞う白狐 長崎・若宮稲荷神社で「竹ン芸」奉納

雌雄の白狐が妙技を披露し、大勢の観客を沸かせた「竹ン芸」=長崎市、若宮稲荷神社

 長崎市伊良林2丁目の若宮稲荷神社(大坪丈夫宮司)で14日、男狐(おぎつね)と女狐(めぎつね)に扮(ふん)した青年たちが妙技を披露する「竹ン芸」(国選択無形民俗文化財)が奉納された。高さ10メートル以上の青竹をしならせながら優雅に舞う白狐たちが、大勢の観客らを魅了した。
 五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、200年以上前から続く神事。シャギリの音と「よいしょ」のかけ声に合わせて、保存会(後藤清輝会長)のメンバーが狐の面を着け、命綱なしで技を披露した。
 奉納は2日間で計5回。初回は池田一晃さん(29)と三浦健(たけし)さん(29)が登場し、竹の上で逆立ちをする「天の逆鉾(さかほこ)」や、両手を広げて宙に上半身を投げ出す「飛び込み」などの技を次々と成功させた。スリル満点の技に、境内を埋め尽くした観客から大きな悲鳴と歓声が上がった。18歳の時から女狐一筋の池田さんは「今までで一番緊張したが、出来は100点」と満足そうに振り返った。
 子狐(こぎつね)は、三浦さんの次男、爽空(さく)ちゃん(5)と今年デビューした光嶋駿翔(はやと)君(6)、今年で子狐を卒業する村中弦音(げんと)君(11)が出演し、愛らしい演技で笑顔を誘った。
 15日は正午、午後3時、同8時に奉納予定。若宮保育園の園児による舞踊などもある。


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