深川麻衣が演じる人生詰んだ元アイドル「ギャップにグサッ!」

元SDN48・大木亜希子の実録私小説を映画化した『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』。その舞台挨拶が10月13日に大阪市内でおこなわれ、主演の深川麻衣と穐山茉由監督が登壇した。

主演映画の舞台挨拶に登壇した深川麻衣(10月13日・大阪市内)

原作は、アイドルグループの元メンバーながら、仕事ナシ・男ナシ・貯金残高10万円のアラサー大木が、なぜか赤の他人のおっさんと暮らすことになった実体験を綴った私小説。元乃木坂46のメンバーで、現在は女優として活躍する深川が主人公・安希子を演じた。

深川は、「コメディなのかなと想像して読み進めていくと、実際は180度違って。1人の女性の等身大の悩みや人には見せない汚い部分、ドロドロした部分をすごく繊細に描いていて、そのギャップにグサッときた。そんな安希子を演じるのがうれしく、今まで挑戦したことがない役柄でとっても楽しみにしていました」と喜びを語った。

そして、「大木さんは元SDN48におられて、作家になられた。私も乃木坂46にいて、今はお芝居の仕事をさせていただいている。最初、グループを出たときは不安もありつつ、半分楽観的で『何とかなる!』という気持ちで踏み出しましたが、時間の使い方などすべてが違うし、これからやっていけるのかと漠然的不安を抱えていました」と、主人公と重なるグループ卒業当時の心境を明かした。

本作のメガホンをとったのは、2018年の長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が若手映画監督の登竜門『MOOSIC LAB』で4冠に輝き、2021年の映画『シノノメ色の週末』で『日本映画批評家大賞・新人監督賞』を受賞、新進気鋭の映画監督として注目を集める穐山茉由(あきやま・まゆ)だ。

穐山監督は、「早く観ていただきたいです! こんなにかわいい深川さんがいろんな表情を見せてくれています」と絶賛しつつ、「現代人の心の悩みやみなさんの心当たりある葛藤が描かれているので、(井浦新が演じる56歳のサラリーマン)ササポンとの関係性によって変化していくことを自分事のように感じていただけたらうれしい」と話した。

舞台挨拶の最後、深川は「ついつい見逃してしまう身の周りの幸せとか、慣れてしまうと無いものばかり数えてしまうけれど、周りにはこんなに素敵なものがあったんだよと気づかせてくれる映画です。みなさんの大切なヒト・モノ・コトが思い浮かんだらうれしいです」と語り、イベントを締めくくった。同映画は11月3日から公開される。

映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』

2023年11月3日公開
監督:穐山茉由
出演:深川麻衣、井浦新、松浦りょう、柳ゆり菜、ほか
配給:日活/KDDI

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