焼き物の色彩メカニズム学ぶ 佐世保高専生 佐賀・有田町で製造体験

金属粉などを混ぜ合わせて釉薬を作る生徒=佐賀県有田町、深海商店

 佐世保高専(佐世保市沖新町)の3年生9人が呉須(ごす)や釉薬(ゆうやく)(うわぐすり)など窯業資材を扱う深海商店(佐賀県有田町)を見学。焼き物の色彩メカニズムを学び、釉薬の製造も体験した。
 同校の学科横断型授業「グローカルリテラシー」の一環。9人は釉薬の成分と溶解する温度の関係性を学んでいる。8日は佐賀県が同社で開いた見学会に参加した。繊細さが求められる伝統工芸品の染付などに使われる青色の「呉須」が同社の代表的な商品。九州で2社、国内で10社ほどが製造しているという。
 13代目の深海宗佑さん(31)は「呉須の青一つとっても300種ある。そのくらい、窯元さんの色へのこだわりは強い」と強調。釉薬は含まれる金属の種類や分量、焼き上げる温度や方法で色が変わり、「0.01%でも分量が変わると同じ色が出ない」と難しさを語った。
 製造体験では色の基になる金属粉などを乳鉢で混ぜ合わせ、水で溶いて素焼きの箸置きを浸した。同校物質工学科の江頭功暉さん(18)は「基礎レベル以上の話が聞けた。釉薬の奥深さが分かった」と話した。

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