緊迫のガザ:「安全はどこに」人びとと共に南部に移動したスタッフからの報告

イスラエルとハマスによる衝突激化で緊迫した状況が続くパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍による北部からの退避要求を受け、現地の状況はどうなっているのか。

国境なき医師団(MSF)のコミュニケーション・マネージャーを務めるルイ・ボードワが報告する(内容は現地時間10月14日現在の状況に基づく)。

空爆を受けるガザ=2023年10月7日 © MAHMUD HAMS/AFP

困難な退避行

イスラエル軍によるガザ地区北部の退避要求を受けて、私はMSFの同僚たちとガザの南部に移動してきました。 大勢のパレスチナの人びとも、ここに避難しています。 最初はだれも避難要求を信じていなかったようで、朝のうちは移動する人が少なかったように思います。 MSFチームは前日の夜中に緊急避難計画を立て、13日午前8時に300台の車列で南部に向け出発しました。

避難する車と人びとであふれる道路

やがて、ガザ北部から南部に移動する車で道路は渋滞し、避難場所周辺は車で埋まるようになりました。人びとは車を止め、大急ぎで持ち出したマットレス、少しの食料、衣服を手に、徒歩での避難を続けました。

いま私たちが避難している付近には昨夜の時点で約1万人がいると聞きました。

ここはもともと学校などのある大きな複合施設のような場所で、大小さまざまな建物が10棟ほどあります。人びとは階段や廊下、教室、食堂など、いたるところにマットレスや毛布を敷いて寝ています。

安全はどこに

ここには、ガザ地区のあらゆる場所から人びとが集まっています。

退避要求を受けたベイト・ハヌーンを含む北部はもちろん、ガザ地区中心部、そして南部のハン・ユニスの人びとも、ここは自宅に留まるよりは安全だろうと信じてやってきています。

そして誰もが、これから何が起きるか恐れています。

MSFなら何か情報があるだろうと尋ねられますが、私たちも新たな情報は持っていないのが現実です。

爆撃が近くで続くのか、あるいは遠くで続くのかもわかりません。昨日は爆弾が落ちる音が少し聞こましたが、昨日までいたガザ地区中心部よりは、確かにに少ないです。

命を救う活動を、どうぞご支援ください。

寄付をする

※国境なき医師団日本への寄付は税制優遇措置(寄付金控除)の対象となります。

© 特定非営利活動法人国境なき医師団日本